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前回東京五輪の公用車「水色のプリンス・グロリア」 千葉・香取市に

 57年前の昭和39(1964)年の東京五輪の公用車を千葉県香取市の自動車販売会社が所有している。同市では来月、カヌー強豪国のスロバキアが事前キャンプを予定しており、市内の五輪の機運の醸成に一役買っている。

 同市の自動車販売「プリンスガレージかとり」代表の香取孝さん(61)が公用車を所有している。水色のプリンス自動車工業(同41年に日産と合併)の「グロリア・デラックス」だ。同社はクラシックカー専門店で、15年前に静岡県で「100万円以下」で購入した。香取さんは車両が公用車であった“証拠”となる車台番号などが一致した当時の組織委員会の証明書も入手している。そこには、「役員選手、各国記者団の輸送のために使用された」と書かれている。

 香取さんによると、当時、自動車各社が五輪のために車両を提供した。購入したのは、プリンスが提供した水色の95台のうちの1台で、通常の車両では使われていなかった五輪用の特別な色だった。聖火リレーの伴走にも使われた。

 購入した際、塗装の状態は悪かった。メッキ加工したり、天井を張り替えるなど修復し、オリジナルの水色に塗装し直した。車体に五輪マークなどはなかった。後日、公用車に使われていた五輪マークと日の丸が入った本物のステッカーも手に入れ、ステッカーを複製した。一方でエンジンは状態が良く、分解・再組み立てなどのオーバーホールが必要なく、車両は2年に1度、車検を受けて公道を走れる状態にしている。香取さんは「プリンスの水色の公用車は他には残っていないんじゃないか。前回の東京五輪の公用車で今も走行可能な状態で現存する唯一の車であることは間違いない」と話す。

 五輪延期後の昨年11月、スロバキア・カヌースプリントチームの香取市の小見川ボート場での事前キャンプが決まった。市は「オリンピックカー展」を5月31日~6月11日に市役所ロビーで、6月12、13日には水郷佐原あやめパークで開催。公用車に「年配の人は懐かしがっていた」(市の担当者)という。

 香取さんは「新型コロナウイルスの影響で香取市での聖火リレーも中止になったが、車を持っていたことで五輪の役にたててうれしい。車は自分のコレクションとしてこれからも大切にしていく」と話している。

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