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中部空港、今月から滑走路刈り草を牛の餌に活用 同事例の全国普及に期待

 これまで捨てられていた滑走路周辺の刈り草を活用する動きが全国の空港で広がっている。中部空港(愛知県常滑市)では、廃棄物処理していた刈り草を地元の農場で飼育する牛の餌として活用する取り組みを6月から始めた。

 国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」への貢献が社会で求められる中、資源の循環で環境負荷を減らすのが狙いだ。

 滑走路周辺の緑地帯は、航空機の不時着やオーバーランなど緊急時の緩衝材としてあるが、看板が見えづらくならないように定期的に草を刈ることが必要だ。中部空港では年間約200トンの刈り草が発生し、処理に約300万円費やしていた。

 地元の酪農事業者に有効活用を呼びかけ、空港近くの牧場「エル・ファーム・サカキバラ」(同県半田市)が牛の飼料や寝床として使うことになった。寝床として使った草は同県南知多町のキャベツ農家の堆肥として再利用する。

 一方、高知空港(高知県南国市)や県営名古屋空港(愛知県豊山町)では、刈り草を田畑の肥料や堆肥として活用する農業関係者などに提供。福岡空港(福岡市)では牧場への無償提供を1975年に開始し、現在も続けている。

 大阪(伊丹)空港(大阪府豊中市)では、滑走路周辺の刈り草を2019年度まで奈良市の奈良公園内のシカに餌として与えていた。

 中部空港の犬塚力社長は「将来的には、滑走路の草を食べた牛の乳製品を空港で販売したい」と意気込む。エル・ファーム・サカキバラの榊原一智社長は「新鮮な刈り草は輸入品よりビタミンが豊富で、牛の体調管理に期待できる」と笑顔を見せた。

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