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中小はSDGsプラス顧客満足で生きる

 リディアワークス代表取締役・小林史人

 世界的にESG(環境、社会、企業統治)とサスティナビリティ(持続可能性)が叫ばれている。金融庁と東京証券取引所が事務局を務めるフォローアップ会議は2021年4月、コーポレートガバナンス・コード(CGコード)の改訂案を公表し、ESG・サスティナビリティに関する規定の拡充を盛り込んだ。国際社会共通のSDGs(持続可能な開発目標)については、30年の達成に向けて二酸化炭素(CO2)を排出しない電気自動車(EV)などへの転換が一気に進む見通しだ。

 中小企業も、こうした流れと無縁ではない。というより、大企業が手を出しにくいニッチな市場領域を担い、課題を解決してきているのだから、主体的にかかわる必要があるだろう。そのためのキーワードは「顧客満足」だ。

 製品やサービスの付加価値が良しあしや性能差、価格だけではなくなっている。その先にある顧客満足や購入後の体験を「見える化」すれば、購買につなげることができる。世界には多種多様な人種や文化、環境や生活様式が存在する。安くて高機能な大量生産品がある一方、機能性よりもデザインやストーリーが共感され、高価格で売れる製品やサービスもある。顧客が何を求めているか、どのような課題を解決するかを考え、顧客が満足する製品やサービスを開発することが中小企業の生きる道と考える。

 当社の社名は、アイデアを実現する「リアライズ×アイデア」から名付けた。人類は、夢を実現する過程で多くの課題が生じる。「空を飛びたい」「深海を見てみたい」「宇宙に行きたい」「自然環境を保護したい」「多様な種を存続したい」「笑顔があふれる社会にしたい」-。夢を実現するために課題を解決すれば、うれしい変化や体験、満足感とともに、企業は成長できる。本質は「なぜ、この製品やサービスをつくったか」だ。

 当社が開発した布の電飾看板「ルーファス」は、アクリルをはじめとするプラスチック看板が撤去と同時に廃棄されるのを目の当たりにして、「布であれば環境問題に貢献できる」との思いから製品化した。また、除菌フィルム「キルウイルス」は、ウイルスを99%減少させるのに数十時間を要する製品がかなり多かったことから、除菌時間を1時間以内に設定した。スマートフォンやタブレット向けの透明な除菌フィルムも発売したほか、抗菌・抗ウイルス塗料の開発に着手している。これからも課題解決、アイデア実現を通じて環境問題や社会問題に貢献し続けていきたい。(おわり)

【プロフィル】小林史人

 こばやし・ふみと 本所高卒。山崎組、京王運輸、プロラボを経て2003年に家業のコバヤシ看板入社。10年リディアワークスを設立。誰でも上手に張れて環境にも優しい布看板「ルーファス」を開発し2019グッドデザイン賞ベスト100、2020年はばたく中小企業300社(経産省)選定。20年には除菌フィルム「キルウイルス」を開発し販売会社ウイルスケア設立。42歳。東京都出身。

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