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「早く日常取り戻したい」 川崎重工が自動PCR検査ロボ、10カ月で開発 (2/2ページ)

 「プール方式」検査、処理量5倍に拡大

 川崎重工業の「自動PCR検査ロボットシステム」は、1日当たり16時間稼働で2500検体を処理できる。ただ、PCR検査では複数の唾液を混ぜて混合検体として検査する「プール方式」を導入する動きが出ており、この方式を採用すれば処理量は一気に5倍に拡大、1万2500検体を検査できるようになる。

 現在、プール方式に対応したシステム開発に取り組んでおり、社長直轄プロジェクト本部の納土英明PCR事業総括部長は、「できるだけ早期に投入したい」と意気込む。

 昨年4月にロボットの開発がスタートし、今年1月に藤田医科大学(愛知県豊明市)で運用が始まり実用化されるまで約10カ月。納土氏は「コロナで業績が苦しい中、プロジェクトに携わる全員が社会貢献したいという強い思いを持って開発を進めてきた」と明かす。

 コロナの影響で、川重の業績は厳しく、2021年3月期は193億円の最終赤字を計上した。今年1月に推進室から格上げされた社長直轄プロジェクト本部には、さまざまな事業部門の社員が集められ、社会課題を解決する新規事業の創出に取り組んでいる。納土氏も航空機事業出身だ。

 自動PCR検査ロボットには航空機のソフトウエア開発や品質保証、プラント事業のプロジェクトマネジメントなどの知見も生かされている。

 自動PCR検査ロボットの引き合いは好調で、「空港や自治体、イベント関係などから数十件来ている」(納土氏)という。川重は22年3月までに50基の稼働を目指しているが、目標達成に手応えを感じている。(黄金崎元)

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