現場の風

日本ガス協会 「天然ガスへの燃料シフトは即効性があり有効」

 □日本ガス協会専務理事 早川光毅さん(60歳)

 --2050年(令和32)のガスのカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)化を進める実行計画を6月に策定した

 「昨年10月の菅義偉首相による50年カーボンニュートラル宣言を受け、ガス業界としてカーボンニュートラルへ挑戦するために必要となる具体的な工程表などを盛り込んだのが実行計画だ。脱炭素の動きが急加速する中、(化石燃料である)天然ガスを扱うガス業界も変化していかなければという強い危機感があった」

 --菅首相は今年4月、30年度の温室ガスの削減目標として13年度比46%減を目指すと打ち出した

 「脱炭素は一気に実現できるわけではなく、技術面や経済性の課題を克服して実用化するには時間がかかる。天然ガスは化石燃料の中で最も環境性に優れている。脱炭素社会への移行期に石油・石炭から天然ガスへの燃料シフトは即効性があり有効だ」

 --水素と二酸化炭素(CO2)から都市ガスの主成分メタンを合成する「メタネーション」の商業利用に向けた課題は

 「技術面では、原料の水素とCO2をいかに低価格で大量に製造・調達できるかだ。メタネーションは、小型の製造設備での技術開発や実証は既に行われているが、商業利用に向けては製造設備を大型化して価格を抑える必要がある。加えて、商社などと連携してサプライチェーン(供給網)をつくることも欠かせない」

 --脱炭素の取り組みを進める上で、国に対し求めることは

 「石油・石炭から天然ガスへの燃料シフトはCO2の削減に貢献する半面、それに伴う改造費用など企業にとって一定の設備投資が必要になるので、補助金などで後押しをしてほしい。また、50年カーボンニュートラルに向けた技術革新に取り組む企業などを継続的に支援するための2兆円の基金も積極活用してほしい」

【プロフィル】早川光毅

 はやかわ・こうき 東大経済学部卒。昭和59年東京ガス入社。人事部長、常務執行役員地域本部長、専務執行役員CFOなどを経て、今年4月から日本ガス協会に出向し専務理事。東京都出身。

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