テクノロジー

GAFAが金融業界に参入すれば「銀行の窓口業務をする人」は全員クビになる (1/2ページ)

 今後、GAFAをはじめとする巨大テクノロジー企業が金融業界を浸食する恐れがある。ベンチャー投資家の山本康正さんは「そうなれば、すべての銀行手数料は無料になり、手続きは24時間365日可能になる。旧態依然とした銀行は淘汰されるだろう」という--。

 ※本稿は、山本康正『銀行を淘汰する破壊的企業』(SB新書)の一部を再編集したものです。

 ■GAFAにとって金融サービスは食い扶持ではない

 既存の銀行が行っているサービスならびに、同じく既存の証券・保険会社が行っている各種金融サービスは、時間の差はあるでしょうが進化しなければGAFAなどのテクノロジー企業によって淘汰されていきます。

 今後、金融の世界には3つのメガトレンドが生まれるでしょう。それぞれ紹介していきます。

 1つ目のメガトレンドが「銀行の各種手数料はすべて無料になる」です。なぜ、無料になるのか。大きくは2つの軸があります。

 まずはGAFA。彼らは既存のサービスラインがあり、そちらで莫大な利益を得ていますから、金融サービスはあくまでユーザーの囲い込みが目的です。

 言い方を変えると、宣伝費、サービスのような感覚です。金融サービスが本業であり、それが食い扶持の銀行にとっては、脅威になるのは当然と言えます。

 銀行が手数料を取っていたのは、一昔前は各種業務がそれなりにコストがかかっていたからです。国際送金や為替などはいい例です。

 しかし昨今のテクノロジーを使えば、簡単に行えるわけですから、いつまでも手数料ビジネスを行っている時代ではありません。

 ■フィンテックベンチャーが次々と現れている

 もう一つはスマートフォンでの事業ローン完結サービスなど、既存の金融サービスにはなかった新たなサービスを提供することで、従来の銀行の収益柱であった手数料に依存することなく、ビジネスを展開していくフィンテックベンチャーが次々と現れている点です。

 この流れこそ、現在のトレンドと言えるでしょう。中には市場価値が1000億円以上のユニコーンに成長するベンチャーも少なくありません。

 実際、アップルカードの年会費は無料です。一方で、大手カード会社の多くはいまだに年会費を取っています。年会費に見合ったサービスが受けられればよいですが、アップルカードには買い物時の割引率がアップルカードを使うことで高くなるなど、実際に使いたくなる、使っていてうれしいサービスがたくさんあります。果たしてユーザーがどちらを選ぶのか、アップルが優れた顧客体験を提供し続ければ支持は広がります。

 ■アップルペイやグーグルペイの目的は「囲い込み」

 アップルペイやグーグルペイなど、各種○○ペイの事業者側の手数料についても、同じことが言えます。こちらは0円ではありませんが、クレジットカードの数%に比べれば、はるかに安い利率で事業者は利用できるように価格競争が起こりつつあります。

 さらに補足すれば、アップルペイやグーグルペイの手数料は、本来であれば無料で提供できるわけです。先に書いたとおり、決済サービスはあくまで本業への囲い込みだからです。既存の競合に合わせて手数料を取っているだけですから、開発が進めば、決済サービスの手数料も無料になることは十分考えられます。

 余談ですが、役所などで住民票や戸籍謄本などをプリントアウトしてもらうと、数百円の手数料を取られます。同じように、学歴の証明書発行など、手数料が有料のものは多くあります。

 これらの手数料も、今後ブロックチェーンなどのテクノロジーが浸透していけば、役所の担当者を介さずに、それでいてセキュア(安全)に簡単に取得できるようになります。その結果、無料になると私はみていますし、そのようなサービスを提供するベンチャーが、これからおそらく出てくるでしょう。

 そして究極的なトレンドとしては、テクノロジー企業が銀行機能を持つ。このようなトレンドになっていくと思います。

 ■預金量だけに頼る銀行は投資家に見捨てられていく

 ペイパルが、アメリカ屈指のメガバンク、バンク・オブ・アメリカの時価総額を抜きました。この出来事の背景には、まさにこれからの金融業界におけるトレンドが示されています。預金量が多いだけでは競争優位性を保てないということです。

 言い方を変えると、預金量だけに頼っているビジネスを続けている銀行を、世界中の機関投資家たちは、「これから先、大きく伸びることはなさそうだ。だから投資するのは控えよう」。このように判断した、ということです。

 銀行の収益柱の要はローンです。ローン事業による利益率は、おおよそ数%でしょう。バンク・オブ・アメリカの預金量は約2兆ドルですから、日本円にすると約200兆円。つまり預金を貸すことで得られる利益は、約2兆円以上になります。

 それなりの金額ですし、一見すると優良企業のようにも思えますが、投資家の観点はまったく異なります。「わずか数%しかリターンがない」と思うからです。

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