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大阪の大学生ら原発被災地で研修 8月に130人が飯舘村など訪問

 東京電力福島第1原発事故被災地の現状や復興の状況を学ぼうと毎年、大阪の大学生らが福島県を訪れている。年々参加者は増え、発生から11年目の今年は約130人の教員や学生が参加する予定だ。原発事故に加え、過疎化や風評被害などいくつもの問題が複雑に絡み合う被災地を実際に訪れることで、科学的に判断できる人材を育成することがねらいだ。

 原発事故で一時全村避難となった福島県飯舘村に、大阪大の学生らが訪れるようになったのは平成28年。学生らは村の畑や森林で土壌を採取して検査したほか村民との交流も図った。

 「関西の学生なので福島で起きた原発事故は縁遠い。ただ、実際に訪れることで、原発事故や復興への考え方が大きく変わっていった」と、このプロジェクトを推進する大阪大の安全衛生管理部准教授、高橋賢臣(まさおみ)さんは話す。

 大阪大では、事故直後の23年5月ごろから同大核物理研究センターなどの研究者らが中心となって飯舘村を含めた福島県内の放射線量を測定。継続的に調査を実施してきた。

 放射線に関する不確かな情報が多い中で、学生に自分の目で現場を見て科学的に判断する力を養ってもらおうと、28年に初めて学生ら約10人が村を訪問した。

 以降、毎年参加者は増加し、昨年の37人から今年は103人。大阪大以外の関西圏の学生らも参加し、理系だけではなく文系の学生も多いという。

 今年は8月21日から6日間で、新型コロナウイルス対策をしながら飯舘村と、原発立地自治体の大熊町も初めて訪れる予定だ。

 高橋さんは「複雑な社会問題の解決に向けて単一のアプローチではなく、幅広いものの考え方や科学リテラシーを持つ学生を育てていくことにつなげたい」と力を込めた。

 今回の訪問にあたり、7月末まで、クラウドファンディングで資金の支援を呼びかけている。https://readyfor.jp/projects/FukushimaKankyo

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