テクノロジー

スマホ技術を中国に漏洩、起訴の積水化学元社員に懲役2年求刑 

 大手化学メーカー「積水化学工業」(大阪市北区)のスマートフォン関連技術を中国企業に漏洩(ろうえい)したとして不正競争防止法違反の罪に問われた元社員の被告=懲戒解雇=の論告求刑公判が13日、大阪地裁(栗原保裁判官)で開かれた。検察側は「会社に多額の経済的損害を与える危険性があった」として懲役2年、罰金100万円を求刑。弁護側は起訴内容を争わず、執行猶予付きの判決を求め結審した。判決は8月18日。

 この日は被告人質問も行われた。検察側は、被告が中国企業の求めに応じて営業機密に関わる設備リストや装置の写真をメールで送っていたとし、「極秘設備も含まれているので取り扱いに注意」などと記載していたことを指摘した。

 これについて被告は、違法性を認識しつつ「容易に入手可能な機器もあり、そこまで重要な情報ではないと思っていた」と供述、現在は「会社を裏切り大変申し訳なく思う。中国企業が競合になり得たかもしれない」と述べた。

 動機については、担当していたプロジェクトがうまく進まずプレッシャーがあり、「中国企業の技術を得ることで成功させたい」「会社に貢献したい」との思いがあったと話した。

 起訴状などによると、平成30年8月~31年1月、3度にわたり、積水化学の営業機密にあたる電子材料の「導電性微粒子」の製造工程に関する技術情報について、中国・広東省に本社を置く通信機器部品メーカー「潮州三環グループ」の社員に送るなどしたとしている。

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