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横須賀の空を牛丼が飛ぶ 国内初のドローン配送実験、成果と課題は (1/2ページ)

 神奈川県横須賀市内で6月に行われた小型無人機「ドローン」を使った食べ物の配達実験では、作りたての牛丼が市内の高度約50メートルの上空を約5キロにわたって飛び、医療業務に奔走する病院スタッフのもとに、できたてアツアツの状態で届けられた。ドローンで医療従事者に食べ物をオンデマンド(注文対応)配送する実験は国内初という。ドローンや自動走行ロボット(UGV)などの無人機が行き交い、人々の暮らしを支えるといった近未来型の都市像を描く同市が、実現に向けてまた一歩踏み出した。

 実験は県と市、同市立市民病院、ドローンの開発・運航会社のエアロネクスト、牛丼チェーンの吉野家、フード宅配業の出前館、ソフトウエア会社のACCESSの7者が協力して実施した。

 型崩れせずに

 実験の工程は、市民病院のスタッフが昼食時間帯にスマートフォンのアプリで牛丼を注文▽約5キロ先で待機する吉野家のキッチンカーで牛丼を調理・箱詰め▽出前館のスタッフが約200メートル先の離陸地点(立石公園)に運び、ドローンに搭載▽公園内から離陸させ、海上・陸上を自律飛行▽病院の屋上でスタッフが受け取る-という段取り。

 今回は、午前から午後にかけて2回のフライトを実施し、ともに成功を収めた。いずれのフライトでも、箱詰めされた4つの牛丼は平均高度約50メートルで海上・陸上を飛行。12、13分かけて病院屋上に到着し、注文した病院スタッフが受け取った。

 “空飛ぶ牛丼”をその場で試食した臨床工学技士の橋口宗矢さん(25)は「(牛丼が)型崩れすることもなく、しかもアツアツで届いた」と驚き、看護師のクォン・ヘリムさん(31)も「院外に出る時間を取られず便利。実用化されたらとてもいいサービスだ」と期待した。

 同院管理者(院長)の北村俊治さんは「食べ物に限らず、災害時の病院への物資輸送などに応用できそうだ。市の取り組みに参加できてうれしい」と話した。

 実用化に課題も

 ドローンの機体は横幅170センチ、奥行き140センチ、高さ45センチ(プロペラ含まず)。80サイズ(3辺計80センチ以内)の段ボールを搭載し、重さ約5キロまでの荷物を積める。飛行速度は時速約25~30キロ、航続距離は約20キロ。物資輸送の幅広い利用が期待されている。

 機体を開発したエアロネクストの田路(とうじ)圭輔社長は「国内で年間に運ばれる荷物約45億個のうち、約44%に当たる約20億個が80サイズ以下。大きな商機となるだろう」と見込む。ドローン輸送は国も推進している。

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