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建設機械にも「脱炭素」 異業種連携で早期開発、電動化急ピッチ

 2050(令和32)年のカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)の実現に向けて、建設機械にも電動化など脱炭素の波が押し寄せている。メーカー各社は電動建機の開発のほか、燃料電池や水素エンジンを動力源とする研究にも取り組んでおり、早期の実用化を目指した他社との協業の動きが広がってきた。

 コマツは先月、小型電動ショベルの開発でホンダとの提携を発表。コマツ製の電動マイクロショベルにホンダの交換式電池パックを導入し、令和3年度に市場投入する。

 コマツは昨年、100人規模で構成する「電動化開発センタ」を新設し、バッテリー駆動のミニショベルも国内投入。4年の量産を目指して高性能のリチウムイオン電池を搭載したモデルの開発も進めるなど、建機の脱炭素化の取り組みを強化しており、電動化の動きで先行している自動車メーカーとの連携で開発を加速する。

 1月には、中小型の油圧ショベルの電動化に向けて電気自動車(EV)バス開発企業の米プロテラとリチウムイオン電池システムの供給で提携。年内に実証実験を開始し、5、6年の量産化を視野に入れる。

 一方、日立建機も電動建機の開発力強化へ、外部との幅広い連携を進めている。

 6月にはスイスの重電大手ABBと共同で鉱山向けフル電動ダンプトラックを開発することで合意した。エンジンを搭載せず、電力を架線から取り込んで充電する電動ダンプで、6年の実証実験を目指している。

 親会社の日立製作所がABBの送配電事業を買収したことを受けて、日立建機も3月にABBと鉱山機械の二酸化炭素(CO2)削減で提携したことが今回の共同開発につながった。

 ショベルでは既に有線の電動モデルを販売。重量が2~8トンの小型機ではリチウムイオン電池搭載モデルも製品化し、今年は8トンクラスで昨年比ほぼ倍増の約50台の受注を目指すなど、市場での実績も出てきた。

 3年度は新たに5トンクラスのリチウムイオン電池搭載モデルを日欧で販売。10~100トンの中小型機の動力については研究機関や大学などと燃料電池や水素燃料エンジンの共同開発にも取り組んでおり、同社の玉根敦司サステナビリティ推進本部長は「これまで以上に研究開発力を強化し、(外部連携の)オープンイノベーションで脱CO2に向けた製品・技術開発を加速させたい」と意気込む。

 電動化の動きは他のメーカーにも広がる。竹内製作所は12日にリチウムイオン電池を搭載した約2トンクラスの電動ショベルを初出荷した。1回の充電で8時間稼働できる。同社の建機は最大15トンクラスで、「今後も電動化のラインアップを拡充していく」(広報)という。

 電動建機の投入は着実に進んでいるが、現状はまだ価格が割高で、稼働時間や充電インフラの整備などの課題もある。大きなパワーが求められる大型機の動力には燃料電池や水素エンジンの活用が想定されており、普及に向けて製品の性能向上とともにサプライチェーン(供給網)の構築がカギを握る。(黄金崎元)

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