日本銀行は16日に開いた金融政策決定会合で、気候変動問題に対応する民間金融機関の投融資を促す新たな資金供給策の骨子案を決めた。気候変動問題の改善に向けた投融資を行う金融機関に対して0%の金利で資金を貸し付けるほか、利用実績に応じて金融機関が日銀に預けている当座預金にかかる金利を0%にし、マイナス金利の負担を回避する。年内をめどに開始し、令和12年までの実施を予定している。
併せて公表した、先行きの経済成長率と物価上昇率の予想を示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、今年度の実質国内総生産(GDP)成長率の見通し(中央値)を前年度比3・8%とし、4月時点の4・0%から小幅に下方修正した。新型コロナウイルスの感染拡大で、東京都に4回目の緊急事態宣言が発令された影響などを踏まえた。
また、今年度の物価上昇率の見通しを前年度比0・6%とし、4月時点の0・1%から引き上げた。頻発する異常気象などの影響による資源高の影響を盛り込んだとみられる。
短期金利をマイナス0・1%とし、長期金利を0%程度に誘導する大規模な金融緩和政策の維持も決定。上場投資信託(ETF)の買い入れは年間12兆円を上限とし、必要に応じて実施する方針も据え置いた。