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ジグソーパズル、ブーム再び? 巣ごもり需要で売上伸びる

 ピースをはめるのに夢中で気づいたら朝に…。子供の頃、ジグソーパズルに熱中した思い出がある人は多いだろう。実はコロナ禍で玩具業界が全体的に低調のなか、ジグソーパズルは最も売り上げを伸ばした。バブル期に盛り上がりを見せたジグソーパズルがなぜ、再び脚光を浴びているのか。メーカーにその理由を聞いた。(浅上あゆみ)

 今年6月、日本玩具協会は、ジグソーパズルメーカー7社でつくる「ジグソーパズルメーカー会」を日本おもちゃ大賞の特別賞に選出。同協会によると、ジグソーパズルは令和2年度に前年度比158%と売り上げが伸長。業界内で存在感を高めている。

 モナ・リザに便乗

 なぜ今、売れているのか。ジグソーパズルメーカー会によると、新型コロナウイルスの流行で、家にいる時間が増えた人が多いことが理由ではないかという。手軽でなおかつ、長い時間楽しむことができるジグソーパズルは、「コロナ禍の巣ごもり需要にぴったりだった」と、同会のビバリーの営業部、柴崎雄大係長は見る。

 ジグソーパズルの歴史は古い。同会によると、諸説あるものの、約260年前、イギリスの製図技師であるジョン・スピルスベリー氏が木版に描いた世界地図を国境線に沿って糸のこぎり(ジグソー)で切り分け、子供向けの教材にしたのが始まりとされている。

 一方、日本での歴史は半世紀に満たない。昭和49年、東京・上野の東京国立博物館で開催された「モナ・リザ展」が社会的ブームとなった影響で、輸入もののモナ・リザのジグソーパズルも人気に。ジグソーパズルの認知が広がり、その後、国内でも製造が始まったといわれている。

 「飾る」が日本流

 その後、日本特有の楽しみ方も生まれた。完成した作品を自宅に飾る、インテリアとしての役割だ。

 同会によると、海外では完成したら、ばらしてもう一度遊ぶか、他の人に譲るのが一般的。一方、日本では完成品のビジュアルの良さも追求されていった。

 売り上げのピークはバブル崩壊直後。代わりに台頭したのは、デジタル玩具だ。以降、たまごっち(平成8年~)など多くが参入し、アナログ玩具の代表ともいえるジグソーパズルはデジタル化の波にのまれていった。

 立体、透明…進化中

 一方、ジグソーパズルはその形態を進化させてきた。立体、ピースが透明、“世界最小ピース”と称したものなど、各社とも素材やピースに工夫を凝らし、最近では年間500を超える新商品を発売。こうして徐々に上向いてきた人気を一気に押し上げたのが、今回のコロナ禍だった。

 これまで約30年間にわたり、ジグソーパズル普及のため活動してきた同会は、今年の売り上げアップに沸く。同会のテンヨーの営業一部、岡野英雄さんも「ジグソーパズルの魅力に気づく人が増えたようで大変うれしい」と喜ぶ。

 実はほとんどのジグソーパズルは、製作の途中で紛失したピースを取り寄せることができる。パズルに同梱(どうこん)されたはがきを送れば、1つから無料でピースを送ってもらえる。岡野さんは「日本でジグソーパズルが製造されてから、ずっと続くサービス。パズルを愛する人たちのためのもの」と話す。

 今回の受賞を機に、同会はジグソーパズルのさらなる普及を狙う。ビバリーの柴崎さんは、「やったことがない人もたくさんいる。ピースをはめていく快感と面白さをぜひ味わってほしい」と話している。

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