現場の風

一年中、どんな天気の日でも安心して履けるレインシューズを

■三陽商会コーポレート・エコアルフ ビジネス部 コーポレート第二課課長 猿渡伸平さん

 --紳士靴ブランド「三陽山長」から5月下旬に発売したレインシューズ「防水 誠十郎」を企画した

 「サイドゴアブーツ『誠十郎』のデザインをそのままに、レインシューズの機能を持たせた。レインシューズ特有の蒸れや歩き疲れを軽減し、底面から雨水が染み込まないよう工夫した。一年中どんな天気の日でも安心して履けるほか、シャープでスタイリッシュなフォルムも魅力だ」

 --レインシューズの投入は2足目だ

 「2年前に第1弾として、ベーシックなストレートチップのデザインの『防水 友二郎』を発売したが、レインシューズとしては異例の累計2300足を生産するヒットになっている。しかも購入者の多くは『三陽山長』の靴を初めて買った人が多い。『防水 誠十郎』は、2足目需要に応えた商品でもある。前回同様に反響は大きく、9月の秋雨シーズンに向け追加生産が決まった」

 --開発で苦労した点は

 「素材はPVC(ポリ塩化ビニル)でできているが、開発の際には革で型を作った。左右の差が生じないよう細心の注意を必要としたほか、PVCで自然な革の風合いを出すのにかなり苦労した。サンプルは納得いくまで何回も作り直した」

 --新型コロナウイルス禍の逆風が吹いている

 「オフィスカジュアルが浸透する半面、スーツ離れの加速を実感している。在宅勤務の増加も逆風だ。ただ、出社が減る中でもスーツを着ることがオン・オフの切り替えになるとの声も聞く。外出自粛や時短営業で厳しい状況が続いたが、ブランドの強みを見直す機会にもなった。『三陽山長』の強みは本格派ドレスシューズにある。今後もこだわりのドレスシューズを強化していく」

■えんど・しんぺい 平成元年三陽商会入社。紳士服の企画を経て、13年7月のブランド立ち上げから「三陽山長」に携わり、現在に至る。神奈川県出身。

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