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日産の令和4年3月期は黒字予想 新型車効果に期待、リスクは?

 日産自動車は28日、令和4年3月期業績予想の連結最終損益を600億円の黒字(前期は4486億円の赤字)に上方修正したと発表した。通期の黒字は3年ぶり。従来は600億円の赤字を見込んでいた。背景には、固定費削減などの構造改革が進み、世界各地で進める新型車投入の効果が出るとの期待がある。また、3月に火災が発生した半導体大手ルネサスエレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産回復も追い風にしたい考えだ。しかし世界的な半導体不足は続き、東南アジアで新型コロナウイルス感染が再拡大するなど、リスクが消えたわけではない。

 「日産は確実に輝きを取り戻している」。内田誠社長は28日にオンライン方式で行われた決算説明会で、台数を追わずに質にこだわった販売戦略が着実に成果を挙げていることへの自信を示した。

 業績回復のかぎは新型車の投入が握っている。欧州では6月にスポーツ用多目的車(SUV)「キャシュカイ」を投入。日本では今年秋に小型車「ノート」の上級モデル「ノート オーラ」を、冬にはSUVタイプの電気自動車(EV)「アリア」を投入する予定だ。

 ルネサス那珂工場の生産回復をめぐっても前向きな見通しが出てきた。野村証券は15日付のリポートで「自動車用半導体の供給が足元で既に火災前の水準を上回っているとみる」と分析。日産を含む日系自動車メーカーについて「遅くとも9月からは通常ペースでの生産が可能」とみている。

 ただ、自動車業界にとって、世界的な半導体不足は依然として大きな懸念材料で、新型コロナウイルスがもたらす影響も深刻だ。東南アジアでのコロナ感染の再拡大で部品調達が滞っているトヨタ自動車とホンダは国内外の工場の一時停止などに追い込まれている。タイに工場がある日産も打撃を受ける恐れがある。

 それでも、4年3月期の半導体不足などによる減産影響について、内田社長は下期以降の生産挽回で25万台規模にとどめたいとする従来の考えを変えないと強調。「これまでの日産は自分自身との闘いだった。これからが真価を問われる」と、反転攻勢へ意欲を見せた。(宇野貴文)

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