大阪堂島商品取引所が農林水産省にコメ先物取引の本上場移行を申請していることをめぐり、農水省は5日、認可するかどうかを判断するため堂島側に意見聴取した。出席した堂島の中塚一宏社長は「農水省の指摘はまったく当たらない」と強調し、取引参加者数が増えていないことなどを理由に基準を満たしていないとする農水省側に真っ向から反論した。
農水省は意見聴取の内容を踏まえて、現在の試験上場の期限である7日までに最終判断する。中塚氏は「万が一認可されない場合は断腸の思いだが、コメ先物から撤退する」と説明。農水省が本上場を認めず、堂島側が試験上場延長を申請しない場合は、コメ先物の上場廃止が決まる。
中塚氏は、農水省が現在の取引参加者数や参加意向がある人の数が少ないと評価していることについて、すでに十分であるとの認識を示したうえで「本上場移行でさらに拡充が期待できる」と反論。また、「どれほど(参加者数が)あれば十分なのか明らかにしてほしい」と具体的な数値を示すよう求めた。
これに対し農水省側は「意見聴取は何かを説明する場ではない」と応じず、取引口座の開設数が増加していることなどについて堂島側に繰り返し質問した。
聴取後に報道陣の取材に応じた中塚氏は「参加者の数ばかり指摘される意味が分からない」と不満をあらわにした。
自民党は4日、農水省に厳正に判断するよう申し入れており、本上場認可に否定的な態度を示している。全国農業協同組合中央会(JA全中)などJAグループもコメ先物に消極的な姿勢だ。