IT

ペイペイ、10月から中小加盟店の手数料1.6%に それでも世界最低水準

 ソフトバンクグループ傘下でスマートフォン決済サービスを手掛ける「ペイペイ」(東京都千代田区)は19日、中小加盟店に10月から支払ってもらう手数料の料率を最低で1・6%にすると発表した。普及を優先して手数料を無料としていた拡大戦略からの転換となる。ただ手数料は業界最低水準に抑える。

 10月から年商10億円以下の中小向けに、決済機能の手数料率を1・98%に設定する。クーポンやポイントカード発行などができる月額1980円の集客支援サービスに加入すれば、1・6%とする。

 全国に31拠点を設け、数千人規模の営業体制で顧客開拓をするペイペイは、340万カ所の加盟店の約半分が個人商店とみられ、手数料の有料化で収益構造が大きく変化する。

 一方、有料化で加盟店が撤退する可能性もあるため集客支援サービスのほか最大半年間、決済金額の3%を還元するキャンペーンも実施する。

 ペイペイの中山一郎社長は「中小店舗の決済は確実に回数、金額ともうなぎのぼりに伸びている」と、手数料を徴収しても加盟店離れは起きないと自信を見せた。

 ただ、ライバル企業でスマホ決済サービスのメルペイを展開するメルカリの小泉文明会長が「使いやすさで多くのお客に使ってもらえるようにしたい」と述べているように、他社も店舗開拓や支援に注力しているため、各社の囲い込み競争が激化する可能性がある。

 MMD研究所の調査では、7月時点で普段利用している決済手段をスマホ決済と回答した人が過半数に達しておりスマホ決済の伸びが際立っている。それでも、政府が掲げるキャッシュレス決済比率8割の目標までは道半ばで、各社が加盟店や利用者向けのサービスの利便性を高める企業努力がさらに求められる。(高木克聡)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus