メーカー

デジカメの世界販売が回復 高画質にこだわる顧客増加

 デジタルカメラの世界販売が回復している。新型コロナウイルス流行で昨年に急落した反動もあるが、高画質の映像表現にこだわる顧客が増えているためだ。一方で、高性能カメラの搭載が進んだスマートフォンに需要を奪われた市場構造に変わりはなく、シェアを独占する日本メーカーに高揚感はない。

 一眼レフとミラーレスを合わせた「レンズ交換式」で世界首位のキヤノンは、今年4~6月期の販売が前年同期比47%増の73万台だった。ニコンも57%増の22万台で、徳成旨亮取締役は「回復は顕著で、一部には品薄感がある」と話す。

 ソニーも高価格帯の製品が伸びて4~6月期の好業績の牽引(けんいん)役となり、パナソニックは国内販売が70%増だった。

 キヤノンは今年のレンズ交換式の市場見通しを従来の580万台から600万台に引き上げた。カメラ映像機器工業会によると、レンズ交換式の2020年の世界出荷台数は前年に比べ37%も少ない530万台だった。コロナ禍による外出自粛でカメラを利用する機会が減った影響が大きかった。

 最近は生活様式の変化で新たに生まれた時間で写真撮影を趣味にしたり、在宅勤務のオンライン会議でデジカメを活用したりする例が広がっている。ユーチューブなど動画配信向けに使う人も多い。スマホでは難しい高画質撮影に加え、高速連写や手ぶれ補正など性能が高い製品が人気だ。

 ただキヤノンの田中稔三副社長は「販売がどんどん伸びると想定しておらず、今のシェアと市場規模の維持に注力する」と語る。カメラ愛好家やプロを対象とした製品でスマホとのすみ分けを狙う戦略だ。

 ■デジタルカメラ市場 スマートフォンの普及に伴い、コンパクト型のデジカメの販売が落ち込み、市場全体の縮小が続く。複数のレンズを搭載したり、画素数を高めたりしたスマホカメラの高性能化により、レンズ交換式も大きな打撃を受けた。メーカー各社はレンズ交換式では一眼レフに代わって、小型、軽量で操作性の良さが特長であるミラーレスに力を入れている。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus