メーカー

半導体不足で「偽物」横行 民間調査「3割超」、廃家電から抜き取り

 世界的な半導体不足を受けて、製品に記されたメーカー名を勝手に書き換えたり、廃家電から抜き取ったりした「偽物」の半導体が大量に流通していることが分かった。通常の仕入れ先以外から半導体を買った企業から依頼を受け、沖電気工業の子会社が調査したところ、3割超が「偽物」だった。粗悪な半導体の流通が広がれば、製品の性能を低下させるだけでなく、安全性にも悪影響が出る恐れがある。

 半導体メーカーは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて生産をいったん減らしたが、最近では自動車やデジタル機器向けの需要が急回復した。国内大手ルネサスエレクトロニクスの生産設備で火災が起きたことも重なり、品薄の状態が続く。

 半導体を調達して製品を組み立てているメーカーには、既に製造中止になった古い半導体を専門商社などから仕入れる動きが広がっている。こうして確保した半導体の品質確認を求める声が強まり、沖電気工業の子会社、沖エンジニアリング(東京)は6月に半導体の真がん判定サービスを開始。既に100社以上から依頼があった。

 同社によると、偽物で最も多いのは、製品に記されたメーカー名を大手の社名に書き換えるなどした模倣品。10年前に製造された廃家電から取り出して「新品」として売られていた半導体や、本来なら廃棄される規格外の不良品もあった。

 こうした半導体は美顔器や血圧計、ドライブレコーダー、電子たばこなどに使われて店頭に並んでいた。初期不良で動かなかったり、発火・発煙したりした製品もあったという。沖エンジニアリングは「機器の組み立てメーカーが、半導体が正規品かどうかを見抜くのは難しい」としている。

 偽物の半導体は中国や韓国、東南アジアから輸出されていると指摘される。インターネットのサイトで取引され、組み立てメーカーから注文を受けた専門商社などが購入することが多いという。

 沖エンジニアリングの高森圭事業部長は「半導体不足が当面解消する見込みはなく、模倣品などが増える可能性が高い」と話している。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus