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コロナ自宅療養急増「パルスオキシメーター」受注追いつかず 半導体不足も影響

 感染力が強い新型コロナウイルスの変異株拡大が続く中、自宅療養に欠かせない医療機器の需要が急増している。医療機器メーカーは血中酸素飽和度を計る「パルスオキシメーター」などの増産をかけるが、世界的な半導体不足も影を落とし受注に追いつかない状況だ。全国の自宅療養者は11万人を超え、自宅で亡くなるケースも相次いでおり、増産が喫緊の課題だ。

 パルスオキシメーターは指先などに光を当て、動脈を流れる血液に含まれるヘモグロビンが酸素と結合した割合を計る機器だ。心臓から全身にどれぐらい酸素が運ばれているかが分かり、コロナ患者の重症化の度合いを知る目安となる。

 コニカミノルタは6月以降、コロナ禍前の20倍もの増産を続けており、9月もそのペースを維持する計画だ。ただ、「毎週のように状況は変わる」(広報担当者)ため、10月以降については自治体の需要動向をみながら生産量を検討する。

 ただ、世界的な半導体不足が増産のハードルになっている。日本精密測器(群馬県渋川市)では年初に生産能力を昨年末比で1・5倍に引き上げたが、フル稼働できないときもある。電子機器の動きを制御するマイコンや、光や色の検知に使うフォトダイオードなど複数の半導体部品の確保が難しくなっているためだ。

 同社に生産委託しているテルモの広報担当者は「8月下旬に入って特に受注が増えたが、すべてには応えられていない」と明かす。

 一方、政府は入院先が確保できない患者向けに、酸素吸入で重症化を防ぐ「酸素ステーション」の整備に取り組む。こうした中、空気に含まれる酸素の割合を90%以上に濃縮して体内に取り込む「酸素濃縮器」も自宅療養で需要が増し、生産が急ピッチで進む。

 帝人の酸素濃縮器の出荷量はコロナ禍前から1割増えた。9月以降は出荷量をさらに増やす方向だ。ダイキン工業は6月から人員を倍増、直近3カ月間の出荷量はコロナ禍前の2・5倍に増えた。「半導体不足の影響はあるが、医療機器向けに優先的に部品を調達している」(広報)という。

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