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トヨタ減産、深刻度増す東南アジアコロナ禍 挽回生産にも限界

 東南アジアの新型コロナウイルス禍による部品供給の停滞が長引き、自動車メーカーの減産の動きに歯止めがかからない深刻な状況が続いている。トヨタ自動車は9月に続いて10月にも大規模減産に踏み切り、年間生産目標も930万台を900万台に下方修正した。他のメーカーも工場の稼働停止の延長を余儀なくされるなど影響を受けており、コロナ禍が収束しなければ、減産の動きが広がる恐れがある。各社は挽回生産を図るが、従業員に過度な負担はかけられず、悩みは尽きない。

 東南アジアには、日本の自動車、車部品メーカーの生産拠点が集積する。労働力の安さという利点を生かし、製造した部品は地域に限らず、日本、米国、中国などに供給されてきたが、コロナ禍が供給網に大きな打撃を加える結果となった。

 「稼働維持が難しい状況になっている」。10日にオンラインで取材に応じたトヨタの熊倉和生調達本部長は落胆の色を隠さなかった。

 マレーシアに次いで影響が大きいというベトナムの感染流行地域では、従業員が工場などに寝泊まりする「工場隔離」が操業の条件となっている。帰宅すると再出勤ができず、従業員の確保は厳しくなっている。工場隔離が長引くことで、勤務している従業員の健康面への影響も懸念されている。

 東南アジアのコロナ禍は、トヨタ以外のメーカーにも工場停止を延長させるなどの深刻な影響を既にもたらしている。

 ダイハツ工業は、マレーシアとベトナムからの調達不足により、国内2工場の9月の稼働停止日を延べ7日延長。8~9月の減産台数は4万台を見込む。SUBARU(スバル)も、9月7日から4日間の稼働停止を予定していた国内3工場について、停止日を5日間追加すると発表した。

 トヨタは令和4年3月期連結業績予想の営業利益2兆5千億円などは据え置く。ただ、挽回生産のため従業員に休日出勤などを求めるには、労務上の観点からも限界がある。

 熊倉氏は11月以降の見通しについては「読みにくい」とし、「コロナ以外にも半導体の需給逼迫(ひっぱく)があり、細かく見ていきたい」と述べた。

(宇野貴文)

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