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日本バス協会会長 清水一郎さん(53) 戦後最大の危機 人流抑制緩和に期待

 --新型コロナウイルスの影響が長引く中、バス事業への影響は

 「1年半にわたって人の流れが止まり、バス業界は戦後最大の危機に直面している。おおげさではなく死活問題だ。路線バスで運送収入は2~3割減、高速バス・貸し切りバスは6~7割減だ。路線バスはもともともうからず、高速・貸し切りで利益を上げてなんとか事業を維持しているのがほとんどのバス会社の実態なのだが、その高速・貸し切りの需要が人流抑制でなくなった」

 --市民生活に必要な路線を維持できるのか

 「地域の生活の交通として、経営が苦しいからといって休むことはできず、空(から)でも走らなければならないのが路線バス。路線維持のため必死でやっている。今やワクチン(の2回接種)は半分を超える人々が終えた。せめて、次の正月こそはちゃんと人が動ける世の中であってほしいと願っている」

 --コロナ対策として望むことは

 「帰省に限らず、少人数での旅行やビジネスの出張を再開してほしい。マスクをして十分な対策をし、行き先で大きな集まりや大騒ぎをしなければ大丈夫というようになってほしい。人が動かないと経済は止まる。もちろん、気が緩みすぎてもいけない。正月や大型連休、盆に感染数拡大の山が来る事態は避けてほしい」

 --日本バス協会会長として取り組みたいことは

 「デジタル化を進め、『MaaS』などスマートフォンで予約・決済が完結するサービスを広めたい。コロナ禍でコスト削減もしなければいけないが、安全は全てに優先する。しんどいからといって、安全に必要な部分を減らしたりはしない。われわれの義務であり、誇り。運輸事業の根幹として、最優先でやっていく」

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