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緊急事態宣言解除初日、航空需要の回復顕著 1日予約件数が10倍にも

 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の全面解除初日となった1日、航空旅客の需要回復が顕著になっていることが分かった。全日本空輸では国内線における9月末の1日当たりの予約件数が、宣言期間中の10倍にまで跳ね上がるなど好調で、航空大手は今後も好況が続けば増便などの対応を検討する方針だ。

 台風接近の影響で天候が悪いにも関わらず、家族連れやカップルらが行き交う1日朝の羽田空港。

 「宣言解除を待ちに待っていた」。家族5人で鳥取県を旅行するという川崎市の男性会社員(47)は喜びを語った。宣言期間中は車による近県への観光にとどめていたが、飛行機での旅行はコロナ禍前以来。「感染の第6波がいつくるか分からないので、今のうちに遠くへ出かけたいと思った」と話す。

 1日1便のオホーツク紋別空港(北海道紋別市)行きに搭乗し、そのまま同じ航空機で戻る予定というさいたま市の会社員、堀康志さん(59)も「大手を振って飛行機に乗れる日を楽しみにしていた」と笑顔を見せる。

 普段から利用者数が少なく、コロナ禍でとりわけ状況が厳しい同路線をめぐっては、紋別観光振興公社が10月中にどれだけ多く往復できるか回数を競うイベントを開催。多くの飛行機マニアも参加予定で、堀さんは「路線が廃止にならないよう盛り上げたい」と話す。

 全日空によると、9月前半は約5千人で推移していた国内線の1日当たりの予約件数が、感染者数の減少とともに徐々に増加していき、9月末には約5万人にまで達した。

 ANAグループでは需要を後押ししようと、ワクチン接種者を対象とした航空券が当たる抽選キャンペーンなど、さまざまな企画をスタートさせている。

 報道陣の取材に応じた全日空の井上慎一専務は「うれしい。やっと(需要が)戻った」と、第一声で喜んだ。「これまで以上に感染予防に取り組み、(昨年のように)再び宣言発出という事態にならないよう努めたい」と気を引き締めながらも、「今回はワクチンがなかった昨年のようにはならないと思う」とも語った。

 日本航空も国内線の予約件数が9月23~29日は、その前週と比べて2倍以上に達したという。特に今月23日の羽田発大分行きの便は、現地でラグビー日本代表戦が行われるため予約が埋まり、臨時便を設定して対応する方針だ。

 全日空も日航も「今後も予約件数が伸びれば、飛ばす航空機の大型化や増便を検討する」としている。

 一方、鉄道はJR東日本の指定席予約動向に、現時点で大きな変化はないという。ただ、担当者は感染状況の改善が続いており、「今のところ動きは少ないものの、今後は期待せざるを得ない」としている。

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