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真鍋淑郎氏ら3氏にノーベル物理学賞 温暖化の予測法開発

 スウェーデン王立科学アカデミーは5日、2021年のノーベル物理学賞を、地球温暖化をコンピューターで予測する気候モデルを開発した米プリンストン大上席研究員の真鍋淑郎(しゅくろう)氏(90)=米国籍=ら3氏に授与すると発表した。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の温暖化予測に使われ、環境問題に対する意識の高まりや持続的社会への転換などに貢献した点が評価された。

 授賞理由は「複雑な物理システムへの画期的な貢献」。他の受賞者は、独マックスプランク気象研究所のクラウス・ハッセルマン教授(89)と伊ローマ・サピエンツァ大のジョルジョ・パリージ教授(73)。

 真鍋氏らは「地球の気候を物理的にモデル化し、変動を定量化して地球温暖化を確実に予測した」と評価された。

 日本のノーベル賞受賞は2年ぶりで、外国籍を含め計28人となった。

 真鍋氏は1969年、大気循環と海洋循環のデータを組み合わせてコンピューターによるシミュレーション(模擬実験)を行い、気象予測を行うプログラムである気候モデルを世界で初めて発表した。89年には、地球の大気に含まれる二酸化炭素濃度が徐々に増加すると、全球的に気温が上昇することを気候モデルを使って示した世界初の温暖化予測を論文発表し、世界に衝撃を与えた。

 気候モデルは、IPCCが90年にまとめた第1次報告書の温暖化予測に使用され、温暖化問題への関心が一気に高まる原動力になった。

 92年の国連気候変動枠組み条約や97年の京都議定書などの採択につながった。現在も世界中の研究者によって、さらに高度なモデルの開発が続けられ、気候変動予測に役立っている。

 12月10日にストックホルムで開かれる授賞式は昨年に引き続き、新型コロナウイルスの感染防止のため受賞者を招待せず、メダルなどの授与は受賞者の自国で行われる。賞金は計1千万スウェーデンクローナ(約1億2700万円)が贈られる。

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