6日から8日までの3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)南ホールで、産経新聞社主催・特別協力の「第26回フルードパワー国際見本市 IFPEX2021」「測定計測展2021」「センサエキスポジャパン2021 オータム」が開催される。脱炭素化に欠かせない省エネ技術をはじめ、ITを駆使して業務を変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える最新の製品やシステムが一堂に会する。
フルードパワーは、油圧・水圧・空気圧といった流体(気体、液体)のエネルギーを利用して、機械や装置を動かしたり停止させたりする駆動方式の総称。その国際見本市である「IFPEX2021」(日本フルードパワー工業会、産経新聞社主催)には95社が出展する。ものづくりに欠かせないフルードパワーも脱炭素化が大きな課題で、今回の開催では二酸化炭素(CO2)排出量の削減に寄与する油圧ショベルや空気圧システムなどが注目される。
空気圧制御機器で世界トップメーカーのSMCは圧縮した空気を発射するエアガン「インパクトブローガン」を出展。工作機械で生じた切りくずなどを一瞬で除去できる。インパクトブローガンの中にエアタンクを設けることで一気に圧縮空気を吐き出せるようにした。初期の圧力が従来の3倍以上となり、空気消費量が80%以上削減され、省エネ効果がある。開発した長谷川直美氏は「さまざまな生産現場で使える製品で、顧客に新たな提案をしたい」と意気込む。
川崎重工業は産業機械で使う油圧と電動のハイブリッド式駆動システムを展示する。油圧ポンプとモーターを組み合わせ、動作に応じて、電動機の回転数を制御して、消費電力を大幅に低減する。金型製作に必要なプレス機械や工作機械の省エネ効果を促進する製品として期待されている。
「測定計測展2021」(日本光学測定機工業会、日本精密測定機器工業会主催、産経新聞社特別協力)は、日本の高品質なものづくりを支える光学・精密機器メーカーなど47社が出展する。黒田精工は、加工物の丸形状の部分を測定する際、固定用に使う「治具(じぐ)」を展示。作動ねじ1本をレンチで回すだけで固定できるため測定時間を短縮する。ミツトヨ(川崎市高津区)が測定からデータ管理まで一体化したシステム、東京精密が最新の非接触測定機を披露する。
DXや、あらゆる機器を通信でつなぐモノのインターネット(IoT)を駆使したデータ収集で重要な役割を担うのがセンサー技術だが、「センサエキスポジャパン2021 オータム」(産経新聞社主催)には通信機器などを手掛ける27社が出展する。
東大発のベンチャー、ソナス(東京都文京区)は独自開発したIoT向け無線規格「ユニゾネット」を搭載した小型の通信機器を展示する。従来の無線よりも安定性が高く、省電力、低遅延を実現し、橋梁(きょうりょう)や建築物の維持管理での活用が期待されている。
初日には経済産業省製造産業局産業機械課課長、安田篤氏による基調講演が午前10時半から行われる。午後1時からは国際政治学者、三浦瑠麗氏による特別講演も開催する。両講演ともウェブサイトで事前申し込みが必要。今回の開催では会場内の新型コロナウイルス対策を徹底する。出展者や来場者、関係者の安全を守ることを第一に考え、最大限の注意を払う方針。
また、3つの展示会のほか、産経新聞社の特別協力で「第23回自動認識総合展」(日本自動認識システム協会主催)と「第16回総合試験機器展 TEST2021」(日本試験機工業会主催)も同時開催する。
5展示会とも入場料は無料(入場の際に登録が必要)。共通の問い合わせ先は03・3273・6180。info@ifpex.jp。詳細は各展示会公式サイトで確認。