新「日常」の先(中)

広がる世界、巣ごもり消費は家の中へ向かい海外へ (2/2ページ)

 居酒屋「鳥貴族」を展開する鳥貴族ホールディングスは8月、チキンバーガー専門店「トリキバーガー」の1号店を東京都品川区にオープンした。JR大井町駅近くの好立地。平日昼には注文待ちの列が店外まで伸びる。鶏料理を低価格で提供する鳥貴族のブランド力を生かしつつ、テークアウト需要を取り込む。

 確かに人々の行動は変わった。ただ、同社は既存店舗の撤退や業態転換までは考えていない。居酒屋の需要はコロナが収まれば戻るとみており、「鳥貴族は今後も注力する」と担当者は話す。社会に根づいている「飲み会」文化は、そうやすやすと廃れることはないというわけだ。

 H2Oも「街中で買い物をする」という文化も根強く残るとみる。その上で、変化を見定める考えだ。令和6年3月期のECの売上高目標を今の3倍の250億円に置くが百貨店売上高の目標5300億円のわずか5%。メインはあくまで実店舗での販売に据える。

 コロナ禍という霧がいつ晴れるのか。そのときに消費者はどのように振る舞うのか。企業の神経戦が続く。((下)は明日11日に掲載します)

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