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廃棄された木材を燃料に…「木を無駄にしない」、滋賀でリサイクルの取り組み (2/2ページ)

 ブランド名は石田三成の出生地にちなみ、「みつなり」。今夏は約千個のマンゴーを収穫し、地元の新たな名産品を目指している。

 マンゴーのほかにイチゴも栽培しており、同グループが運営する同市内の菓子店「ドラジェ」でケーキなどのスイーツとして販売。「甘くて、おいしい」と好評という。

 「前から行っていた取り組みがまさに『SDGs』そのものだった」と話す梅田係長。同グループは令和元年10月に、SDGsの取り組みをさらに進めていく企業になると宣言。不要になった木材の再利用を通じた環境保護活動だけでなく、男女や国籍を問わず働きやすい環境を提供できるよう、未来を見据える。

 滋賀県は平成29年、全国に先駆けてSDGsの考え方を県政の基本理念に導入し、理念に沿った民間の動きも活発だ。長浜市の「明豊建設」は本業の土木工事に加え、琵琶湖の水草を微生物を使って発酵させた「有機肥料」を製造している。湖面を覆いつくし、悪臭の原因ともなる水草の有効活用を模索する中で、開発にこぎつけた。売り上げの一部は、琵琶湖の環境保全に充てられている。

 滋賀のSDGsの原点は、琵琶湖の保全だ。昭和50年代、琵琶湖では合成洗剤に含まれる「リン」が要因で淡水赤潮が大発生。合成洗剤の使用をやめ、粉石けんを使おうという「石けん運動」が広がった。行政への働きかけも強まり、合成洗剤の販売・使用の禁止などを盛り込んだ「琵琶湖条例」の施行につながった歴史をもつ。

 SDGsの普及を担う県の担当者は「琵琶湖の将来を見据えて、もともと環境や社会への関心が高い県民性。SDGsの考え方が理解されやすいのではないか」と話している。(清水更沙)

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