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東芝のラグビー新会社、スポーツビジネス本格参入「分社化で退路断つ」

 来年1月にスタートするラグビーの新リーグ「リーグワン」では、参入チームに事業性や地域性の強化が求められている。態勢整備が急がれる中、事業運営会社を立ち上げたチームの一つが東芝ブレイブルーパス東京だ。同社の荒岡義和社長に会社設立の狙いや新リーグへの期待などを聞いた。(運動部 橋本謙太郎)

 --東芝ブレイブルーパス東京株式会社の社員数は

 「選手やコーチらを入れると90人弱。運営する側でいえば、15~20人規模で考えている。スポーツビジネスの世界にいた人にも参画してもらう。東芝の100%出資の子会社になる」

 --設立の目的は

 「新リーグの参入要件として各チームに事業化が求められたということが大きい。新リーグでは世界最高のクオリティーという理念が示されているが、事業化とか世界最高ということを考えたときに、より多くのファンを獲得していくことでラグビーの価値は高まっていくと考えた。そして、いままでの企業スポーツという意識から一段階上げていかないといけないだろうというのがあった」

 「もともと東芝は製造業の会社なので、スポーツビジネスとか興行を行う態勢がなく新たにつくる必要性もあったので、事業運営会社設立の流れになった」

 --企業スポーツから一段階意識を上げるとは、どういう状況か

 「簡単にいうと、(ラグビー部にかかる費用が)福利厚生費ではなくなり、東芝から広告宣伝費ということで契約させていただく。東芝のラグビー部ではなく、事業運営会社のコンテンツになる。外部の企業、広い意味でのファン獲得や事業の幅を広げ、長い目で見ると、東芝の支援額の比率が下がっていくことを目指していく」

 --社内の一部署でなく、別会社にした理由は

 「事業部門をつくるという考えもあるのかもしれないが、法人化した方が、より責任とか権限が明確になる。今までにない仕組みをつくるなら、別法人化した方がいろいろ分かりやすいし、はっきりしやすい。やるからには本気でやらなければいけない。本気でやるためには退路を断たなくてはいけない。そこの意識改革のところもあった」

 「外部の人からみると、東芝グループの傘下だから何が違うのかと思われるかもしれないが、そこが大きい。より機動的に意思決定ができるという面も大きな要素だ」

 --プロ契約選手は増えるのか

 「リーグ側も(社員選手とプロ選手の)ハイブリッドといっているが、そこは変わらない。いまのところ、クラブとしてプロになるかどうかをコントロールすることは考えていない。プロでやりたいという選手がいれば協議をしていくし、真摯(しんし)に対応させていただく。ただ、プロになると収入が上がるという風に考えられている方が多いと思うが、社員よりもいい報酬をもらえるかどうかは評価次第」

 --新リーグに向けての活動は

 「いろんなことを考えてはいるが、実際に協賛の意を示してくれている企業は少なからず出ていて、ファン獲得でいえば、ファンクラブを近いうちに立ち上げ、募る」

 「チームについても新シーズンから何とか強化につながるようないい形に持っていこうということでやっている。選手の採用面とかそういうところもかなり一生懸命やらせてもらっている。大事なポジションの強化、けがを防止するための施策や体調面をケアできる態勢を厚くバックアップできる形には持っていっている」

 「(地域密着に向けては、チームの活動拠点となるホストエリアのほかに)セカンダリーホストエリア、フレンドリーエリアの開拓も視野に入れている」

 --リーグ側に期待することは

 「世界最高のクオリティーを持ったリーグにするといっているが、その礎になるのは、スポンサーを含めた多くのファンを獲得すること。ファン層の拡大はわれわれだけでできることではない。リーグ全体としてファンを膨らませていなくてはいけない。その後押しをとにかくしてほしい」

 「(リーグワンには)日本の出身ではない選手もたくさん入っているし、それが魅力でもある。ファン層も国を越えた広がりになっていかないといけないし、リーグ自体もクロスボーダーマッチといった海外との交流試合を標榜(ひょうぼう)しているわけだから、そういった意味でいうと、国を越えた形でファン層を増やしていくことがリーグの目指す姿」

 「そのためにはわれわれクラブ側もいろんな試み、提案をさせていただこうと思っているが、リーグ全体で広げていってもらわないと繁栄はない」

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