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5つ星ホテル、関西で強気の開業 万博時の「コロナ収束」に目算

 新型コロナウイルス感染拡大による集客が落ち込む宿泊業界でホテルの開業が相次いでいる。関西では5つ星ホテルの開業が大阪・関西万博を控える令和6~7年に集中する見通しだ。強気の計画の背景には、そのころにはワクチン接種が進むなどしてコロナが収束し、底堅い国内客の需要を取り込めると同時に、入国制限の解除でインバウンド(訪日客)を一気に取り戻せるとの目算がある。

 当面は国内客

 「シンガポールや香港にもホテルは多いが、国内客の利用は少ない。これに対して日本は非常に多い。観光が再開されれば回復は早く諸外国と比べて有利だ」

 米ホテル大手ヒルトンの日本・韓国・ミクロネシア地区で運営最高責任者を務めるティモシー・ソーパー氏は自信ありげに語った。

 同社は9月、京都市北区の鷹峯エリアで日本初となる最高級ホテル「ROKU KYOTO,LXRホテルズ&リゾーツ」を出店。ソーパー氏は「インバウンドの消失も原因は新型コロナのみ。感染が収束すればストップする理由はない」と述べたうえで、日本国内で18軒展開する拠点を「150軒にしたい」という日本市場の将来図を掲げてみせた。

 今後、コロナ禍が収束に向かい、日本が厳しい入国制限を段階的に緩和していく過程でホテル市場を支えるのは国内客との見方は強い。このことがホテルの開発計画が立ち消えとならずに続く動機となっている。

 不動産サービス大手のCBRE(東京都千代田区)が9月に発表したリポートは、各国のホテル市場において宿泊者数に占める国内居住者の割合を調査した。日本は約91%と世界の主要地域の中でも高い割合を示しており、同社は「インバウンドの戻りはしばらく先になったとしても、国内の人流さえ戻れば高い回復力を持つ」とみる。

 京都に出店意欲

 インバウンドに関しては、大阪・関西万博開催時にはワクチン接種を前提とした国際間移動も自由になり、「旅行目的地としての関西や日本への注目が高まる」と国内ホテルチェーン関係者はみる。

 関西で5つ星ホテルの出店意欲が集中するのはやはり京都。「外国人が初めての日本旅行先で真っ先に頭に浮かぶのは京都か東京」(外資ホテル幹部)と評価しているためだ。英インターコンチネンタルグループ「京都東山シックスセンシズ」(京都市東山区)、シンガポールのバンヤンツリーホテルズ「京都東山バンヤンツリー」(同)などは令和6年の開業を予定している。

 一方、万博開催予定地の大阪でもカナダの高級ホテルブランド「フォーシーズンズホテル大阪」(大阪市北区)が6年開業を予定。誘致した東京建物の野村均社長は「厳しい現状だが、パンデミック(感染症の世界的大流行)は一時的なもの」として、感染収束後の市場復活を確信する。

 ホテルジャーナリストの井村日登美氏は「ホテル事業者は国内の富裕層も十分に掘り起こせるとみている。日本に少ない高級ホテルの開発余地は大きい」としている。(田村慶子)

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