金融

日銀、物価見通し引き下げ検討 携帯電話料金の比重が大きくなったことが要因

 日本銀行は27、28日に金融政策決定会合を開き、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で示す令和3年度の消費者物価上昇率見通しを引き下げる方向で検討する見通しだ。総務省の算出方法の改定で値下げが相次ぐ携帯電話料金の比重が大きくなったことが要因だが、企業が原材料費などの上昇を価格転嫁しにくい状況も背景にある。

 物価上昇率は前回7月のリポート(0・6%)から引き下げる。最大の要因は総務省が全国消費者物価指数の算出方法を見直し、値下げが続く携帯電話の通信料の比重が増したことだ。

 また、企業の製造・流通過程で消費者に近い川下に向かうほど価格転嫁が進んでいないのも一因だ。企業同士の取引価格を示す9月の企業物価指数(平成27年平均=100、速報)は、原油価格高騰で前年同月比6・3%上昇の106・4と20年8月以来の高水準だが、原材料が52・1%上昇したのに比べ、消費財は3・2%上昇にとどまった。

 第一生命経済研究所の新家義貴(しんけ・よしき)主席エコノミストは「景気が上向かない中で値上げをしても消費者がついてこないため、価格転嫁はエネルギー関連など一部に偏っている」と指摘する。

 展望リポートでは、新型コロナウイルス緊急事態宣言の長期化や半導体不足などによる輸出・生産の低迷を踏まえ、実質国内総生産(GDP)の成長率見通しも7月の3・8%から引き下げられる見通し。金融政策は短期金利をマイナス0・1%とし、長期金利を0%程度に誘導する大規模な金融緩和政策を維持する。(高久清史)

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