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国際海運「2050年に排出ゼロ」 日米など共同提案へ

 国土交通省は26日、国際海運分野の温室効果ガス排出量を2050年までに世界全体でゼロとする目標を国際海事機関(IMO)として設定するよう、米国や英国などと共同提案すると発表した。日本も単体で同目標を掲げ、実現に必要となる技術開発を進める。

 国際海運の温室効果ガス排出をめぐっては、航空と同様に国別の削減目標が割り当てられておらず、IMOが一元的に対策を講じている。二酸化炭素に限ると国際海運の排出量は世界全体の約2・1%という。

 IMOの現行目標は、18年に合意された50年の排出量を08年比で半分以下とする内容だ。しかし、さらなる脱炭素化の加速が世界的に求められている中で、新たな目標設定の必要性があると判断した。

 新たな削減目標は今年11月開催のIMO海洋環境保護委員会に提案し、23年の会合で目標の見直しを終えたい考えだ。加盟国の過半数が支持すれば新目標を設定できるが、国交省の担当者は「全加盟国の合意獲得を目指す」と話している。

 日本政府は目標達成に向け、グリーンイノベーション基金で次世代船舶の開発補助に350億円を計上。選定された民間企業の4グループが、水素やアンモニアを燃料とする船舶のエンジンやタンク、供給システムなどの研究を進める。

 今後、燃費規制や市場からの要請強化など国際海運を取り巻く環境も厳しくなるとみられ、斉藤鉄夫国交相は26日の閣議後会見で、「(技術開発により)国際海運力の強化を図りたい」と述べた。

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