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消火栓ホースでリメーク商品 エコバッグ人気で評判

 消防設備、機械設備の保守点検などを行う「ジェム・テクシア」(宇都宮市)は、耐用年数が過ぎて交換、廃棄していた消火栓ホースを再利用したトートバッグなどのリメーク商品を販売している。社内で山積みされたホースを見た女性社員の「もったいない」という声がきっかけだ。商品化すると軽くて丈夫、防水性に優れた素材の特長や、レジ袋有料化に伴うエコバッグ人気もあって評判が高まった。

 消火栓ホースの設計寿命は、使用しない状態で約10年程度だが、交換期限となっても状態の良いホースもある。交換したホースは、これまで高額な費用をかけて産業廃棄物として処分していたほか、ハンモックにして宇都宮動物園(宇都宮市)に寄贈するなどしていた。

 しかし、女性社員の「もったいない」の一言を聞いた同社の長坂五郎会長が「宇都宮でもったいない運動を推進しており、廃材を活用した環境に優しい商品を作って協力したい」と考えた。

 開発した商品はペンケースやコインケースのほか、ホースの色やメーカーのロゴマークを生かしたり、畳のへりの布をアクセントに使ったりしたトートバッグなど。女性社員が中心となってデザインし、革工房やデニム縫製メーカーに製作を依頼。昨年10月から販売を始めた。

 消火栓ホースの素材は、多量の水を遠くまで流して放水できるよう、軽量で頑丈、さらに防水性に優れている。リメーク商品だけに色合いや柄が商品ごとに異なり、中にはスレや汚れがある場合もあるが、“世界で一つだけ”のオリジナル商品ともいえる。

 同社は手提げ部分に高級素材を使うなど、顧客の要望にも応じている。今後は、社名にちなんだ「GEMブランド」の名称で事業展開を決め、新商品の構想を練っている。

 今月に入って、「国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも進んで取り組みたい」(長坂会長)として、本社内の約20平方メートルのスペースを改装したショールームを開設した。売り上げの一部を社会福祉団体に寄付するなど、地域に密着した企業を目指している。(鈴木正行)

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