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福島の魚介、おいしい料理に イトーヨーカ堂が東京・千葉3店でフェア

 大手スーパー、イトーヨーカ堂は、東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故からの復興応援を目的に、「常磐もの」と呼ばれる福島県産の水産物を販売するフェアをアリオ葛西店(東京都江戸川区)、木場店(同江東区)、四街道店(千葉県四街道市)の3店で29~31日までの3日間実施する。アンコウやカレイなどの魚介を取りそろえ、おいしい料理のレシピも配布。多くの人に「常磐もの」を味わってもらう機会をつくる。

 豊富なレシピを用意

 フェアには、同県産品の風評払拭と消費拡大に取り組む東京電力ホールディングス(HD)と、魚食推進を目的とした「SAKANA&JAPAN PROJECT」に取り組む産経新聞社、豊洲市場(都中央卸売市場)の卸売業者、築地魚市場(東京都江東区)が協力。東電HDが展開している活動「発見!ふくしま」の一環として実施する。4社によるフェアは今年3月、6月に続く3回目となる。

 調達を担う築地魚市場の執行役員の山縣伸悦さんは「アンコウもカレイもこれから冬場に向けて、どんどんおいしくなる。エサが豊富な海で育った常磐ものは特に良質の脂がのる」と、おいしさに太鼓判を押す。

 販売する魚介は水揚げの状況次第だが、販売する魚に応じて、おいしく食べられる料理のレシピを豊富に用意。「あんこうのトマトブイヤベース」や「あんこうの唐揚げ」「カレイのホイル包み焼き」といったレシピを販売員が配布して購入を促す。

 「常磐もの」一人でも多くの人に

 イトーヨーカ堂マルシェ部鮮魚担当スーパーバイザーの湯山一樹さんは「おいしい食べ方を提案することで、一人でも多くの人に常磐ものを食べてもらえる機会をつくっていきたい」と話す。

 福島県の沿岸漁業は震災から10年を迎えた今年3月で操業日数や時間を制限した試験操業を終え、本格操業に向け水揚げ量を増やしていく移行期間に入った。一方で、政府は4月、福島第1原発事故の処理水の海洋放出を決定した。海洋放出は2年後が予定されており、新たな風評が懸念されている。

 イトーヨーカ堂、築地魚市場、東電HD、産経新聞社の4社は今年3月から、福島県産水産物の風評払拭と販売拡大で連携。今後も定期的にフェアを開催していく。山縣さんは「旬で新鮮な福島の魚を仕入れ、消費者に届けていきたい」と語る。湯山さんも「実際に食べてもらい、そのおいしさを知ってもらうことで応援したい」と話している。

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