金融

賃上げ企業に税優遇 新資本主義会議が緊急提言

 成長と分配の好循環を目指す政府の「新しい資本主義実現会議」(議長=岸田文雄首相)が8日、追加経済対策の編成に向けた緊急提言をまとめた。10兆円規模の大学ファンドなどによる科学技術立国の推進や、賃金を上げた企業に対する税制支援の強化など予算措置や税制を総動員する。既存政策の継続や焼き直しも多く、政権が目指す格差是正に向け実効性が課題だ。

 提言では、中間層の伸び悩みや格差の拡大といった日本社会の課題を解消するため、「全てを市場に任せるのではなく、官民が連携し、新しい時代の経済を創る必要がある」と訴えた。

 成長戦略では、世界と肩を並べる先進的な研究大学を支援する10兆円規模の大学ファンドを令和3年度中に設置。地方のデジタル化を進める「デジタル田園都市国家構想」は大規模な交付金で地域を後押しする。

 分配戦略では、賃金を引き上げた企業に対する税負担の軽減措置を拡充し、法人税を納めていない赤字中小企業の賃上げは補助金で支援する。また、先進各国に比べ低水準な企業の人的投資を促進するため、職業訓練や本格採用前のトライアル雇用などを計画的に助成する3年間の「施策パッケージ」を設ける方針だ。

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