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札幌丘珠空港の遊覧ツアー応募殺到 ポテンシャル引き出し、新たな活用に兆し

 JR札幌駅から約6キロという近距離にある札幌丘珠空港(札幌市東区)。同空港発着便による遊覧ツアーを企画したところ、定員の10倍以上の応募が殺到した。10月23日、便数を増やし約250人に空の旅を提供したところ大好評だった。図らずもローカル空港の魅力を再認識することとなり、空港ビル運営会社の担当者らはそのポテンシャルを引き出す取り組みを進めたいとしている。

 定員の10倍超応募

 新型コロナの感染者が減少傾向に向かうタイミングを狙って行われたのが、札幌丘珠空港ビル開業30周年を記念した遊覧ツアー。静岡市に本社を置くフジドリームエアライン(FDA)の旅客機で北海道らしい景色が広がる富良野や美瑛、すでに雪が積もっている十勝岳などの上空を通常よりも低い約3000メートルの高度で飛行するというものだ。

 計画では1便74人の定員のツアーだったが、これに対し10倍以上の約750人の応募が殺到。便数を3便に増やし、10月23日に実施した。

 左右どちらの座席の乗客も見えやすいよう、機体を何度も左右に大きく傾け、機長がその都度、現在地などを紹介。機内には歓声が広がり、乗客全員が1時間のフライトを満喫した。

 札幌市中央区から友人と参加した会社員の田原佳奈さん(53)は「コロナで旅行に行けない日々だったのでとても満足した。丘珠空港には初めて来たが、近くて便利。次の旅行は丘珠発着にしたい」と語る。

 道内外に8定期路線

 札幌丘珠空港は防衛省が設置する陸上自衛隊札幌飛行場との共用空港。現在は道内外の地方空港間を結ぶ最大8路線(道内5、東北1、中部2)の定期便が運航している。

 同空港は、昭和17年、旧陸軍が用地を買収して飛行場を開設したのが始まりだ。21年から25年にかけては米空軍の空挺部隊などが演習場として活用。31年に民間航空会社による丘珠-女満別(現在の網走管内大空町)の定期路線が誕生して以降、稚内便や函館便など路線が続々と増えた。

 札幌市中心部へほぼ直結している空港とあって、路線の増加に合わせて旅客数も増え、49年には70万3545人に。ただ、約50キロしか離れていない新千歳空港(北海道千歳市)で機体の大型化に対応する拡張工事が進みはじめたことで、50年から徐々に減少に転じた。

 平成4年2月、札幌丘珠空港ビルは空港ビルを建て直し利便性を高めたが、平成20年ごろまでは年間30万人台半ばで推移。滑走路が1500メートルと短く大型の旅客機が離着陸できないことから利用者は伸びなかった。令和2年は、新型コロナウイルス禍も重なり利用者は17万2894人だった。

 現在の運航便は、日本航空が、函館(1日6往復)▽釧路(同4往復)▽女満別(同1-2往復)▽利尻(同1往復)▽奥尻(同1往復・土日祝日および年末年始のみ)▽三沢(同1往復)-の6路線。FDAが、松本(1日1往復)▽静岡(同・夏季のみ)-の2路線で、普段の搭乗率は70%前後という。

 「空の旅」魅力再認識

 遊覧ツアーに同乗した札幌丘珠空港ビル株式会社の吉岡亨社長は「多くの応募をいただき、『空の旅』の魅力の高さを改めて思った。(道内ローカルである)丘珠空港を皆さんに知ってもらい、利用していただけるよう取り組んでいきたい」と強調する。

 予想以上の反響を受けて、同社では早速第2弾ツアーを11月28日に開催することを決定。同社の菅原直樹総務部長は「経済活動が回復へと向かう中、旅行需要が一層活発化する期待感もある。当空港発の需要喚起策を今後も考えていく」と話している。(坂本隆浩)

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