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「生活困窮者」の定義は 与党の10万円給付に賛否 (2/2ページ)

 家計の動向に詳しい日本総合研究所の小方尚子(おがた・なおこ)主任研究員は「新型コロナウイルス禍の家計救済か子育てか、支援の目的が明確でない。的を絞って手厚く配分すべきだ」と訴える。

 小方さんは、コロナ禍で失業や労働時間が大幅に減少した人は約150万人と試算(9月時点)。自営業者を加えても、支援対象となる困窮者は計600万人程度との想定だ。これに対し、18歳以下の人口は約2千万人。小方さんは「政府は子育て世帯への支援を強調するが、財政負担を将来世代に回すことについて国民が納得できる説明が必要だ」と指摘する。

 経済効果はあるのか。小方さんは昨春の一律10万円給付に関し、年収200万円未満世帯はすぐに消費した一方、平均所得以上の世帯ではほぼ貯蓄に回ったと分析。最終的に総給付額の7割超は貯蓄に回ったとみている。今回は現金と使途が限られたクーポンで給付されるが、「もともと子育てに必要な消費に回るだけで、消費押し上げ効果は期待できない」とみる。

 支援の現場に立つ人の見方も厳しい。「家賃で消えてしまう世帯もあれば、支援を必要としない世帯もある。配分を工夫してほしい」。生活困窮者への食料支援を行うNPO法人「フードバンク関西」(神戸市)の中島真紀理事長は力を込める。

 コロナ禍では個人からの支援要請が急増。感染拡大が落ち着いた今も1日に5~10件ほどの相談があり、アルバイトができなくなった学生や高齢者、外国人からの要請が目立つ。中島さんは「子育て世帯への支援はありがたいが、世代を問わず困窮している人が増えている。雇用や生活の見通しが立たない人たちを支える施策を求めたい」と話した。

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