異常気象を精密に予測できるデータベース開発 気象庁気象研究所など
地球温暖化の進展で増加する極端な気象現象について、気象庁気象研究所などが、どの地域でどのくらい発生確率が高まるかを精密に予測できる新しいデータベースを開発し、21日以降に自治体や研究機関に無償提供するなど運用を始める。近年は猛暑や豪雪など温暖化による異常気象が各地で報告されており、こうした異常気象を正確に把握する重要性が注目されている。
新データベースの名称は「d4PDF」。これまでは観測値に基づくデータベースが使用され、1つの予測モデルに対する結果は多くても10パターンくらいしか出なかった。
そこで、より多くの予測パターンを出すため、海洋研究開発機構のスーパーコンピューター「地球シミュレータ」(横浜市)を半年間稼働させ、過去6千年分、将来5400年分のモデル実験を実施。これまでの10倍の100パターンの予測を出せるようになった。
データベースでは、平均気温が産業革命以前より4度上昇したと仮定した未来の気候変化を現在と比較した。予測結果が以前より幅広く示されることで、偶発的に発生する極端な気象現象まで予測できるようになったという。
気象研究所では、データベースを活用した研究が進んでいる。温暖化が進んだ場合の日本付近の降雪についての研究では、北陸地方の山沿いなどで、「10年に1度」規模の量の「ドカ雪」が降る確率が高くなるという結果が出た。また、夏の高温については、日本に猛暑をもたらすとされる「ラニーニャ現象」が現れると、10年に1度規模の猛暑の発生確率が上がることが証明されたという。
気象研究所の今田由紀子研究官は「今まで把握できなかった10年に1度規模の変化をつかむことができる」と評価。海洋研究開発機構の担当者は「各地域での気象変化を知ることで温暖化対策を進めてもらいたい」と話した。(市岡豊大)
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