伊勢志摩サミット 世界経済・対テロ 協調へ、首相の指導力必須

 
伊勢志摩サミットが開催される三重県志摩市の賢島

 8年ぶりの日本開催となる主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)まで1カ月。警備や地元の準備が進む中、日本政府は成功へ総力を挙げる。世界経済の再浮揚や、テロの撲滅へどう道筋をつけるのか。安倍晋三首相の指導力が問われる。

 三重県で5月26、27両日に開かれる伊勢志摩サミットでは、議長の安倍晋三首相を含む先進7カ国(G7)首脳が、世界経済を再び成長軌道に乗せるための処方箋や、テロに対抗する有効策を示せるかが焦点だ。地球温暖化問題に注目が集まった前回日本開催の「北海道洞爺湖サミット」から8年が経過し、議題は大きく変化。深刻度が増した中国の海洋進出も重大なテーマとなる。

 今回の最重要議題は世界経済。洞爺湖サミット後に起きたリーマン・ショック後も高成長を続けた中国経済の勢いが衰え、世界経済が減速。財政出動などで協調できるかが鍵となるが、財政規律を重視するドイツなどは慎重だ。どう足並みをそろえるか首相の指導力にかかっている。

 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)などが引き起こすテロへの対策でも活発な議論が交わされる見通し。ドイツで昨年開かれたエルマウサミットでIS壊滅を誓ったが、フランスやベルギーの同時テロは防げなかった。新たな取り組みを打ち出せるかが課題だ。

 8年前の洞爺湖サミットと比べて変わったのは中国の位置付け。当時は拡大会合のメンバーとして招き、地球温暖化や経済問題の討議に加わった。伊勢志摩サミットでは、南シナ海で軍事拠点化を進めているとして、牽制(けんせい)の対象となる。

 「パナマ文書」に端を発した課税逃れ防止策や、北朝鮮の核・ミサイル開発問題、熊本県を中心とした地震を受けての防災・災害対策も優先項目になりそうだ。

 サミットに合わせて注目が集まるのは、オバマ米大統領による被爆地・広島訪問だ。日本政府は、実現すれば「核なき世界」に向けた機運が高まると期待している。