「ヒアリングまで弁護士と面識ない」
舛添氏「第三者」調査結果会見(1)《政治資金の「公私混同」疑惑が指摘されている東京都の舛添要一知事が、疑惑に関する調査結果を公表する会見が6日午後4時、都庁で始まった。これまで、元検事の弁護士に調査を依頼し、「第三者」による調査中であることを理由に個別の疑惑については説明を避けてきた舛添氏。数々の疑惑をどのように説明するのか注目される》
《午後4時、会見場に姿を見せた舛添氏はダークスーツに水色のシャツ姿。着席すると、都民への謝罪の言葉を改めて口にした》
舛添氏「都民の方々にご心配をおかけしていることを心からおわびします。また、都庁に多数の苦情のお電話をいただくなどして都庁職員の皆さまに多大なご迷惑をおかけしていることを心よりおわびいたします」
《話題は、調査結果に移る》
舛添氏「昨日、報告書をいただきました。先程、(都議会の)議長さんたちに調査報告書を提出し、その概要を説明して参りました。記者会見では先生方から調査結果のご報告をいただき、そののちに私から報告いたします」
《舛添氏が右手に座る弁護士2人を紹介した。一人は、佐々木善三氏。東京地検特捜部副部長経験者で、小渕優子元経済産業相の関連団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、一連の問題検証を担当した第三者委員会の委員長も務めた。もう一人の森本哲也氏も検事を経験した、いわゆる「ヤメ検」弁護士だ》
舛添氏「佐々木弁護士は東京地検特捜部の副部長などを歴任され、特捜部時代は多くの政界疑獄事件を捜査され、政治資金の実務に精通されております。森本弁護士は弁護士登録後に留学され、検事任官されました。政治資金の実務にも精通されております」
舛添氏「当初は事務所などに事実関係を調査させ、私自身がご説明させていただきました。しかし、身内による調査では納得できないとの声もあり、また、国会議員時代の支出についても指摘されるなど、多岐に渡る事実をご報告しなければならなくなりました。そこでこの際、私や事務所関係者と全く無縁の第三者に調査していただこうと思いました」
《弁護士は「友人や知人を通じて候補をあげていただいた」という舛添氏。「直接ヒアリングを受けるまで、お二人の先生とは面識はありません」と、客観的な調査であることを強調した。舛添氏は、調査を依頼するまでの“苦労”も明かした》
舛添氏「報道が先行している中では冷静な調査はできない、と何人かの先生には断られました。お引き受けいただくことをご了解いただき、感謝申し上げます。(弁護士を)選任するまでに多少の時間がかかったことをご容赦いただきたい」
舛添氏「都議会の中で都民の皆さまにご説明しなければならないということで、なんとしても都議会の審議に間に合うよう調査していただきたいとお願いしました。昨日、報告書をいただいたことから、明日の代表質問に間に合わせるべく、本日急ではありますがご説明させていただくことになりました」
《舛添氏が「それでは先生方、よろしくお願いいたします」と促すと、佐々木弁護士が調査概要の説明を始めた》
佐々木氏「弁護士の佐々木の方から調査結果についてご報告いたします。お手元に報告書があると思いますが、調査の方法としては資料が残存している平成21年以降、政治資金収支報告書が公表されている26年までを調査いたしました。必要に応じて、20年以前についても調査しています。具体的な進め方は関係者のヒアリングです。もちろん知事も含まれています。さらに、私と森本弁護士で、自分たちで調査できるところは調査しています」
《会見にあたって、報道関係者には50ページを超える調査報告書が配布されている。佐々木氏がまず紹介したのは、政党交付金についての調査結果だ。政党交付金をめぐっては、自民党東京都参議院比例区第28支部が19年に自民党本部から3500万円を交付され、同年に2300万円を舛添氏本人に寄付していた》
佐々木氏「自由民主党支部から舛添氏本人に寄付された資金の使途を調査したところ、(19年の参院選に立候補した際の)舛添氏の選挙運動費用にあてられており、適法、適切であると判断しました」
佐々木氏「新党改革(比例区第4)支部から(資金管理団体の)『グローバルネットワーク研究会』および『舛添要一後援会』に寄付されたものは政治活動費にあてられ、そのうち、物品購入、宿泊・飲食費にあてられたものもあります」
《報告書では、新党改革支部から両団体への寄付は「政党助成法には違反しておらず、寄付が支部報告書等に記載されていることから、政党助成法の罰則規定の適用もない」と結論づけている》
佐々木氏「26年1月の寄付は解散直前の寄付で、特に1月31日の寄付は解散当日の支出であることから、新党改革支部の支部政党交付金の残余金返還を免れるための処理だったのではないかとの指摘があります。しかし、政党交付金の使途に関する制限がない以上、同支部の解散前に支出された寄付が違法性を帯びることはありません」
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