中華、天ぷらは「私的な食事の可能性高い」

舛添氏「第三者」調査結果会見(3)
政治資金の「公私混同」疑惑について、弁護士(左奥)の調査結果を聞き改めて謝罪の言葉を述べる東京都の舛添要一知事=6日午後、東京都新宿区(早坂洋祐撮影)

 《東京都庁では、舛添要一知事の政治資金をめぐる一連の「公私混同」疑惑について、調査を行った「第三者」の弁護士らによる会見が続いている。元東京地検特捜部副部長の佐々木善三弁護士が舛添氏の政治団体の支出の妥当性について説明していく》

 佐々木氏「次に、その他物品の購入について説明します。平成23年3月12日に中国・上海で購入した物品について、領収書に『服装』と記載されている上、金額が約13万9千円と多額であるということですが、舛添氏に確認したところ、購入したのは『シルクの男性用中国服2着、筆や墨などの書道用品であった』とのこと。なお、同行した秘書によれば、領収書にきちんと書いてもらおうと思ったが東日本大震災の翌日で欠航便が多く、ようやく座席を確保した飛行機の出発時刻が迫っていたために、『服装』とのみ記載されてしまったとのことでした」

 佐々木氏「シルクの中国服を2着も購入した理由について、書道の際に着用すると筆をスムーズに滑らせることができるということでした。実際に行為で示していただいたところ、説得力のある説明でした。なお、同じものかは定かではありませんが、舛添氏の所有する中国服には墨汁の汚れがあったことを確認しています。書道については舛添氏の趣味であるものの、政治活動にも役立っているものと認められるから、衣服や書道用品の購入に政治資金を使用したからといって不適切とは言えないし、違法でもありません」

 《調査報告書の別表には4団体35項目の支出についての記載が並ぶ。「キッチンマット」「目覚まし時計」などの品目もある》

 「4(調査報告書の記載=ブリュッセルの百貨店で3万8627円で購入した「衣料品」)、5(同=ストックホルムの民芸品等販売店で5万5164円で購入した「民芸品」)、6(同=ストックホルムのホテル内の売店と思われる店舗で1万9563円で購入した「土産物の可能性が高い備品代」)については、舛添氏が必ずしも記憶を有していなかったので、政治資金で購入するものとしては不適切と判断しました」

 佐々木氏「31番のブランドバッグ(同=千葉県木更津市のブランド品販売店で3万2340円で購入したバッグ)の購入について、舛添氏がヒアリングの際に持参していて、重要なメモを入れており、執務のために必要なものと確認しています」

 《舛添氏は約1年間に計48回、都心から約100キロ離れた神奈川県湯河原町の別荘まで公用車に送迎させていた。当初は「ルールに従ってやっており、問題はない」などと主張していたが、5月9日には「今後は基本的に公用車は使わないようにしたい」と説明した。また、今年4月までの1年間に、都内の美術館・博物館の視察を計39回にわたり繰り返していた。海外を除く同期間の庁外視察は計54回で、美術関係の視察が全体の7割超を占める》

 佐々木氏「公用車の使用問題や美術館の視察問題についても調査依頼を受けていますが、法令の解釈というよりも知事の行為の当否という政治的問題であって、われわれの判断対象とすることではありません。ただ、一般論としては書いてある通りで、内容も皆さんの考える通りなので特に述べません」

 《報告書には公用車問題について「東京都世田谷区の自宅に立ち寄っていたケースではルールに抵触する可能性がないとは言えない」と記載。美術館視察問題については「美術館への視察回数が多く偏りがみられることも事実であり、視察先の選定に当たっても配慮が必要」などと書かれている》

 《ここで説明者が森本哲也弁護士に移る。森本弁護士は宿泊費と飲食費についての説明を始めた》

 《舛添氏の政治団体「グローバルネットワーク研究会」(解散)は木更津市のホテルに「会議費」名目で25年1月に約24万円、26年1月に約13万円を支出したが、会議が行われたのは舛添氏と家族が宿泊した部屋だった。ほかにも「家族旅行」と疑われる宿泊は栃木県日光市の温泉旅館や那覇市のリゾートホテルなどがあり、多くは正月やお盆シーズンに集中している》

 《また、世田谷区の自宅や湯河原町の別荘近くで支出した飲食費で私的利用の疑いが指摘されていた。舛添氏は5月13日の定例会見で、自宅や別荘近くの3店での計5件約8万円について返金する考えを表明している》

 森本氏「宿泊費6件について是正の必要性有りと判断しました。別表1(宿泊費)の22年8月の山口県下関市でのホテル宿泊については、家族同伴で下関まで行き、支援者でもある友人と合流して友人ともに宿泊しました。支援者との会合という側面はあるものの、主たる目的は家族旅行だと解釈するのが合理的なので政治資金を用いたことが適切だったと認めることは難しいと判断しました」

 森本氏「次に22年の大阪市のホテル宿泊について。ここでも政治資金と無関係とまでは言い切れませんが、家族同伴であり、支援者との会合が娯楽施設で行われたことから、主たる目的は家族旅行だとするのは合理的であり、政治活動としては不適切だと判断しました」

 森本氏「23年の横浜市のホテルでは、宿泊期間中に神奈川県の政治家と会合を行ったとのことで政治活動ではないとまでは言い切れませんが、家族旅行の期間中に短時間だけ他の政治家と意見交換したに過ぎず、主たる目的は家族旅行だったと認めざるを得ません」

 森本氏「24年の日光市では、日光市内にある美術館の館長から芸術家の展覧会に招待され、鑑賞後に家族とともに宿泊しました。舛添氏の得意とする日仏交流の観点から重要な人物ということで政治活動と無関係とまでは言えませんが、主たる目的は家族旅行でした」

 森本氏「25年1月に木更津市内のホテルに家族同伴で宿泊しています。舛添氏の説明では12月の衆院選で結果を出せなかったことを踏まえ、政治家としての今後について、かねてより相談相手だった元新聞記者の出版会社社長に数時間程度相談したとのことでした。政治活動に無関係だと言い切れませんが、家族旅行の間に数時間程度合ったということなので、全体として主たる目的は家族旅行と認められます」

 森本氏「翌26年1月にも木更津市内のホテルに泊まっていますが、舛添氏の説明では、この年の2月の都知事選に出馬すべきかどうかを検討している時期であり、先ほどと同じ方と面談したということで、これについても家族旅行だと判断するのが合理的です」

 《説明は飲食費へ。森本氏の説明が淡々と続く》

 森本氏「飲食費については14件で是正の必要があると判断しました。家族を同伴せずに政治家と会食したなどの場合だけを政治活動として判断しています。21年の高輪での中華料理、21年の銀座の天ぷら、21年の自宅近くの天ぷら料理店の3件は家族との私的な食事であった可能性が高く、是正の必要があると判断しました。22年の大阪のレストランも家族との私的な食事だった可能性が強いです。他にも自宅や別荘近くの飲食があります。なお、舛添氏はいくつかについて返金を表明しております」