「出前館」創業者を相場操縦の罪で告発 近く在宅起訴へ

 

 ジャスダック上場で日本最大級の宅配サイト「出前館」を運営する「夢の街創造委員会」(大阪市中央区)の株式をめぐる相場操縦疑惑で、証券取引等監視委員会は14日、金融商品取引法違反(相場操縦)罪で、同社創業者の花蜜伸行元社長(46)ら3人を東京地検特捜部に告発した。特捜部は近く、3人を同罪で在宅のまま起訴するとみられる。

 ほかに告発されたのは花蜜元社長の知人で会社役員の女性(45)と、花蜜元社長らの取引を担当していた証券会社の元社員の男性(47)。

 監視委の調べによると、花蜜元社長と女性は平成25年7月、「夢の街」の株式について、売買注文を同時に出す「仮装売買」などの手口で、株価を850円から1050円まで不正につり上げた疑いがあるほか、同年12月~26年1月にも同様手口で1653円から1800円までつり上げた疑いがある。

 また、花蜜元社長らは株式を担保に証券会社から買い付け代金を借りる信用取引で、株価が値下がりした場合に必要な追加の保証金(追い証)を免れるため、証券会社元社員の男性と共謀。大量の買い注文を入れるなどの手口で株価を高値で固定した疑いもある。

 花蜜元社長は「もう一度夢のあることに挑戦しようと株を買い進めたところ、意図的に株価を下げようとする動きが見え始めたため信用取引で30億円分の株を買って対抗した。何かの罪になるとは思わなかった」と犯意を否定していた。