事業性評価の一助に 特許庁が金融機関を公募
生かせ!知財ビジネス特許庁は20日から、2016年度の中小企業知財金融促進事業(知的財産評価書事業)を活用する金融機関の公募を開始する。“知財金融支援事業”ともいわれ、今年度実施するのは、知財ビジネス評価書の作成120件(前年度は63機関に150件を採択)に加え、新設した知財専門家が助言を行う「伴走型支援」30件だ。
評価書は金融機関が調査を依頼した企業で、特許・商標などの知財をいかに事業に活用しているかを解説し、評価する。保有する知財の優位性、経済的価値、知財を生かしたビジネスモデルなどについても言及する。
6日から順次、大阪、東京、名古屋で開かれた公募説明会には地銀、第2地銀、信金など100弱の地域金融機関から約180人の担当者が集まった。「関東財務局や各金融協会の後援で1月に開催した知財金融シンポジウムも盛況だった。知財金融へ関心の高まりを感じている」と普及支援課の小宮慎司企画調査官は語る。
評価書を作成する調査会社は、特許調査会社や特許事務所などの知財に精通する13社(前年度は8社)で、調査内容や納期、手法は異なっている。金融機関は調査会社を指名でき、料金はかからない。ある調査会社の担当者は「金融機関の中で、事業性評価への対応は大きな課題。特許庁が出願人以外にサービスを提供するのは画期的だ」と言う。
特許庁は金融とは無関係と思えるが、実は地域金融機関の融資審査の一助となることで、優れた特許・技術を持つ中小企業への融資を円滑化し、地域経済の活性化や地方創生につなげたいという思いがある。
金融機関側は評価書を基に企業とより深い対話を進めることができる。また事業性評価の際、項目の一つとして特許・技術の調査手法や、中小企業の事業と関係づける方法を理解し、事業への寄与度を評価する眼を養えるのに加え、融資審査の定性評価において、いかなるウエートで織り込むかを考え、学ぶことができる。
また、特許庁では金融機関向けに、さまざまな支援策を用意している。その一つが「金融機関職員のための知的財産活用のススメ」という小冊子だ。知財から企業を見るポイントや情報収集方法、提案方法などを解説。来年3月には応用編を公開する予定で、近く関係者らと制作に入る。(知財情報&戦略システム 中岡浩)
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