バングラテロ、日本人技術者7人犠牲 「イスラム国」が日本人など外国人狙い殺害

 
武装集団に襲撃された飲食店=3日、ダッカ(共同)

 バングラデシュの首都ダッカの飲食店を武装グループが襲撃、人質を取って立てこもったテロ事件で、菅義偉官房長官は2日深夜の記者会見で、日本人の男性5人、女性2人の計7人の死亡が確認されたと明らかにした。写真や所持品から死亡を確認。菅氏は「痛恨の極みであり、残念至極だ」と述べた。7人は国際協力機構(JICA)のプロジェクトで滞在しており、3日までに全員の氏名が判明。若手、中堅、ベテラン、それぞれの立場で発展途上国のインフラ整備に尽力してきた技術者だった。

 過激派組織「イスラム国」(IS)は正式な犯行声明を出し「イタリア人を含む十字軍22人を殺害した」と主張。IS攻撃への報復として日本人など外国人を選別して殺害したテロだったことが鮮明になった。

 ISはこれまで「十字軍連合」として米国や英国に加え、空爆に参加していない日本やイタリアなども非難してきた。米軍などの空爆で最近、シリアやイラクの支配地域で劣勢に立たされており、勢力を挽回するため今後もテロ攻撃を続ける考えを明らかにした。

 バングラデシュ治安当局によると、射殺した実行犯6人と拘束した1人は全員バングラデシュ人で、うち5人は過激派として手配していた。

 今回のテロでは日本人やイタリア人など人質20人が死亡、バングラデシュ警官2人も死亡した。実行犯6人が射殺され、1人は拘束された。(ダッカ 共同)

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 犠牲になった日本人7人は 岡村誠さん(32)=アルメックVPI、酒井夕子さん(42)=同、下平瑠衣さん(27)=同、黒崎信博さん(48)=オリエンタルコンサルタンツグローバル、田中宏さん(80)=同、橋本秀樹さん(65)=同、小笠原公洋さん(56)=片平エンジニアリング・インターナショナル。救出され負傷したのは渡辺玉興さん。