新たな“押印文化”で営業秘密を守れ
生かせ!知財ビジネスグローバル化と超スマート社会が進展する中、オープン&クローズ戦略の重要性が認知されるとともに、中堅中小企業のコアとなる高度な技術や製造ノウハウなど、いわゆる“営業秘密”への注目度が急上昇している。
知財コンサルティングのメキキ・クリエイツ(東京都渋谷区)と特許情報関連サービスツールを開発・販売する発明通信社(同千代田区)は、中堅中小企業の営業秘密管理対策として、新たなタイムスタンプサービスを共同開発中だ。メキキが開発した証拠保全システム「Genius Note」を基に機能を高めた。メキキの粕川敏夫常務は「昔から押印文化があるが、新たな押印文化が生まれれば、営業秘密管理対策が進む」と話す。
タイムスタンプは電子化されたCAD、画像、音声、映像などの文書が、ある状態、ある時点に存在したことを正確な時刻の印影を押して証明する仕組み。印影には、特定アルゴリズム(手順)で算出した値「ハッシュ値」に、公的時刻データを加えて生成した「タイムスタンプトークン」(TST)というデータを使う。TSTの発行は、特別な時刻認証業務認定事業者(TSA)が行う。
用途は、秘密とされる研究者のノートや開発データの管理、開発や生産の現場で技術を先使用した証拠などの記録、契約書などの重要書類管理と多岐にわたる。
開発中のサービスは、ユーザーが専用サイトへ入り、原本となる文書をアップロードするだけで、専用サイトから原本、メキキの証明書、TSTを1つにまとめたPDFファイルが戻される。TSAにTSTの発行を求める際、原本だけでなくメキキが発行する証明書を一体化させたPDFファイルを自動的に生成する。このPDFファイルを基に、ハッシュ値に対してTSTを発行する点に特徴がある。
原本、メキキの証明書、TSTが完全にひも付けされる上、ユーザーの利用履歴(日時、利用者、ファイル名)が専用サーバー上に残るため、客観的な証拠能力が高まる。原本の文書は処理終了後、即座に削除される。
「中堅中小企業の営業秘密管理対策は喫緊の課題。知財に関する専門知識がなくても簡便かつ迅速に導入できる」(発明通信社の山縣大輔社長)。年内の発売(価格未定)を目指している。(知財情報&戦略システム 中岡浩)
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