いつまで続ける? 任期付特許審査官制度

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 特許庁は、2017年度に採用される任期付特許審査官の募集を開始した。審査を迅速化するため04年にスタートした民間人登用施策(雇用期間は10年。それを超えた者の再雇用は1~5年のいずれか)だが、いつまで続けるのだろうか。恒常的に必要な人員ならば、思い切って正規採用制度へ移行してもいいのではないか。

 04年当時、審査業務は危機的状況になる寸前にあった。特許出願は年40万件を超え、審査未着手案件は70万件に迫り、出願人は審査請求から一次審査通知を得るまで2年2カ月間も待たされた。特許権の有効期限は、出願日から20年間であり、待ち時間が長くなるほど出願人は損をすることになる。

 内閣に置かれた知的財産戦略本部が示したのは、一次審査通知までの時間を11カ月に短縮する目標。特許庁は当時の審査官約1100人に加え、総定員法の枠外で新たな人材を確保するため、任期付特許審査官を毎年約100人ずつ採用して1700人体制を構築、14年3月末に目標である11カ月を達成した。

 「現状の待ち時間は9、10カ月まで来ていると思う。早期審査を申請すれば2、3カ月で、スーパー早期審査なら1カ月以内に一次通知がされるようになった」と中堅審査官は胸を張る。近年、特許出願は年30万件ほどに激減しており、「かなり暇になっているのではないか」(都内弁理士)との声も聞こえてくる。

 任期付特許審査官の役割は終わったかに見える。だが特許庁のある幹部は「新たな目標として、23年までに出願から権利化までの期間を世界最速の14カ月以内を掲げているのに加え、世界最高品質の審査を実現するためには、任期付特許審査官は欠かせない。さまざまな民間情報も特許庁へもたらしてくれている」と言う。

 ならば、期限を設けない定期的な中途採用枠を作り、優秀な人材を長期間確保する手もあるのではないだろうか。海外の主要特許庁は審査官の雇用に柔軟であり、確実に増員し続け、能力を上げている。

 任期付特許審査官の応募資格は、原則として技術系の学士号以上の学位を持ち、研究開発業務か知財業務を通算4年以上経験していることだ。17年度の概算要求では103人の採用を見込んでいる。(知財情報&戦略システム 中岡浩)