NHKが受信料値下げを提案、月額約50円 22日にも判断
NHKの籾井(もみい)勝人会長ら執行部が8日、受信料を来年10月から月額約50円値下げする案を最高意思決定機関の経営委員会に示し、経営委が22日の次回委員会にも値下げの可否を判断する方針を固めたことが分かった。総務省も受信料の値下げ検討をNHKに求めているが、経営委の中には今後の設備投資額が不透明などとして、慎重論も根強い。
関係者によると、執行部側はこの日の委員会で来年度予算編成の考え方を説明し、値下げを提案。経営委員からは、次世代放送4K・8Kやインターネット同時配信などへの対応にコストがかかることなどを理由に、「慌ててやる必要がない」「平成30~32年度の次期経営計画策定時に議論すべきだ」といった意見が出たという。
NHKでは老朽化が進む東京・渋谷の放送センター(本部)建て替え基本計画がまとまったことを受け、執行部が9月以降、今後の収支計画を見直してきた。受信料収入は平成26、27年度連続で過去最高を更新するなど業績は好調で、センター建設費はほぼ積立金で賄えることを確認。来年度以降も200億円以上の黒字となる見通しになった。
放送法は、NHKの業務について「営利を目的としてはならない」と定める。また、NHKは電気やガス、水道料金と同様、事業の必要経費に基づき受信料の金額を決める「総括原価方式」を採用している。籾井会長はこれまでに「お金が余ったら視聴者にお返しするのがNHKの宿命」と繰り返し、NHK幹部も「これまでは黒字分を建て替えのために積み立てられたが、今後は黒字の説明がつかなくなる」と話す。
受信料は平成24年10月に月額最大120円引き下げられ、現在は地上契約で月額1260円(口座・クレジット払い)。24年の引き下げ時は、経営委が「(当時の受信料収入の)10%還元」を求めたのに対し、執行部は値下げに慎重で、最終的に「7%」の値下げで決着した経緯がある。
今回は双方の立場が逆転。籾井会長は値下げに強い意欲を示しているが、石原進経営委員長(JR九州相談役)は9月、「NHKは目下、お金の必要なことがたくさんある。値下げはまだ早い」と述べていた。
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NHKは8日、今年度上半期の中間決算を発表し、単体で事業収入から支出を引いた事業収支差金は263億円の黒字となった。
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