「大人ランドセル」がビジネスマンに人気 1個10万円でも数時間で完売

 
たくさんの種類が並ぶ「anello」ブランドで人気のキャロットカンパニーのショールーム=大阪市中央区(南雲都撮影)

 街中をおしゃれなリュックサックを背負って歩く人が増えている。アウトドアのイメージが強かったリュックサックだが、デザインやサイズ、素材などのバリエーションが豊富になり、ファッションに取り入れやすくなったことが背景にある。使いやすさも受け、赤ちゃん連れのお母さんからスーツ姿のビジネスマンまで幅広い世代から人気を集めている。(阿部佐知子)

母親らに評判

 「今年春ごろから、リュックサックの売れ行きが急激に伸びてきた」

 こう話すのは、「anello(アネロ)」ブランドでカバンを展開するキャロットカンパニー(大阪市中央区)の広報担当者だ。

 同社がアネロブランドを立ち上げたのは平成17年。26年11月に、上部ががま口の財布のように大きく開く「口金型」のリュックサックを発売したところ、口コミで評判が広まった。

 人気の理由は「使いやすさ」。A4の書類が入る大きめのサイズで、上部の取り出し口には口金が取り付けられ、ファスナーを開けると大きく開く。出し入れがしやすく、中に何が入っているかが一目で確認できることもあり、特に荷物が多くなりがちな子育て中の母親らに評判を呼んだ。

 種類が多いのも特徴だ。素材は軽量で扱いやすいポリエステルキャンバス生地のほか、キャンバス、ナイロン、レザー、デニムなど幅広い。色もフォーマルにも使える紺や黒の単色のものからカラフルな柄まで、それぞれの素材につき10種類程度を取りそろえる。

 価格は4千円前後と手軽なうえ、カジュアル、フォーマルさまざまな用途に選べるバリエーションの豊富さから、若い世代から年配の人まで、幅広くファンを集めている。口金タイプの売上総数は、今年の8月までに発売から1年9カ月で200万個を超えた。

10万円でも…

 一方、1個10万円の高額な「リュック」を販売するのは、土屋鞄(かばん)製造所(東京都足立区)。ランドセルメーカーの同社が創業50年を記念して昨年11月に、ランドセルづくりの技術を生かし数量限定で発売したのが「大人ランドセル」だ。

 上質な革を使い、職人が一つ一つ手作りで製作。小学生向けのものよりもスリムな形状で、ビジネスシーンでの利用を想定したA4サイズが入る大きさにし、使い勝手にも配慮した。

 これまで6回発売してきたが、発売のたびに数時間で完売するほどの人気を誇る。黒と茶色の2色はスーツにも合う落ち着いた色合いで、とりわけ「30~40代の男性に支持されている」(同社担当者)という。

 これまでにもたびたびリュックサックがはやることはあったが、近年のブームは特定の世代や性別に限らない。ノートパソコンやタブレット端末を含め、持ち歩く荷物が増えているビジネスマンなど、従来はリュックサックを使わなかった層にまで広がっている。

 海外の有名女優がランドセルを使用している姿が紹介されたことから、日本のお土産として購入する訪日客も増えている。リュックサックブームはさらなる盛り上がりを見せそうだ。