脂質代謝遺伝子の変異で発症リスク 食事の工夫で躁鬱病予防も

 

 脂質の代謝に関わる酵素の遺伝子に変異があると、双極性障害(躁鬱病)の発症リスクが上がることを、藤田保健衛生大などの研究チームが発表した。患者にオメガ3脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)などを投与し、遺伝子のタイプによって症状の変化に違いがあるか調べる臨床研究をしている。

 研究チームの岩田仲生教授(精神医学)は「因果関係が分かれば、食事の工夫などで発症の予防や治療につながる可能性がある」と話した。

 双極性障害は鬱状態と躁状態を繰り返す気分障害の一つで、国内の患者は数十万人とされる。遺伝的要因とストレスなどの環境要因で発症するが、詳しいメカニズムは不明で治療や診断が難しい。

 チームは患者約3000人を含む約6万5000人の日本人のゲノム解析を実施。オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸の代謝に関わり、脂質の血中濃度を決める「FADS遺伝子」に変異があると、双極性障害の発症リスクが1.18倍になっていた。

 チームによると、双極性障害患者は脂質代謝異常症にかかっている割合が高いことが先行研究で分かっており、岩田教授は「双極性障害と脂質の代謝には何らかの関連がある」としている。