東京都心部ではシャンパン味わうリムジンも 居酒屋からは「期待はずれ」の声も
プレミアムフライデー月末の金曜日の仕事を早く終え、消費を喚起しようという「プレミアムフライデー」が24日、初日を迎えた。さっそく日没前の時間から会社員らが酒杯を傾けた一方、「休みを取るのは無理」などといった冷ややかな声も上がった。
大企業が集まる東京都心部ではキックオフイベントが開催され、東京駅、日本橋、丸の内を中継して同時に乾杯するなどプレミアムフライデーの始動を祝った。車内でシャンパンや高級イチゴなどを味わうことができるリムジンも運行。この日のために有給休暇を取ってきたという茨城県牛久市の会社員、野口博美さん(28)は発着所の列に並びながら「プレミアムフライデーの効果で消費が活発になればいい。応援したい」と笑顔を浮かべた。
丸の内にある商業ビルでは夕方、買い物を楽しむビジネスマンの姿があった。保険会社に勤める男性(45)は「土日は家族サービスで忙しい。この時間は自分のために使いたい」と、真剣な表情で革製かばんの品定めをしていた。
社員食堂でビールを1杯100円の特別価格で提供したソフトバンク本社でも乾杯の声が響いた。「みんなプレミアムフライデーに乗ってくれた」と話すのは人事総務統括の青野史寛常務執行役員(54)。「ここで飲んだ後は、社外の飲み会に参加します」
東京マラソンを週末に控え、皇居周辺ではランニングを楽しもうという人も。ランニングステーション「Run Pit」には午後3時半ごろからスーツ姿の会社員らが次々と集合。東京都練馬区の銀行勤務の男性(36)は「明るい時間に仕事を終えて走れるのはうれしい」と声を弾ませた。
ただ、明るいうちは飲食店の客足も鈍かった。ランチタイムから通しで営業した居酒屋の女性店員は「午後3、4時台はほとんど客が来なくて、期待外れ。6時台には客は入ったけれど、いつもと同じこと」とこぼしていた。
一方、日本橋で取引先との待ち合わせをしていた千葉県佐倉市の銀行員、湯浅雅司さん(40)は「月末の金曜日は忙しいので取り入れるのは無理。休みが増えるほど別の日にしわ寄せがいく」。東京都大田区の町工場「昭和製作所」の舟久保利和社長(37)も「全国一律で法律で決まっているなら別だが、午後3時で帰ったら取引先に叱られるかもしれない。従業員を帰してあげられる企業になれたらいいのだが…」と話した。
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