J-PlatPatへ初のサイバー攻撃か

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J-PlatPatを運営するINPITが入居する特許庁本庁舎(東京都千代田区)

 特許庁所管の独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT、東京都千代田区)が運営する特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」が9日から使用不能になった。同時期、日本貿易振興機構(ジェトロ)や科学技術振興機構(JST)などが受けたサイバー攻撃と同種で関係があるとみられる。INPITや特許庁の情報セキュリティー対策は大丈夫か。

 J-PlatPatとは、インターネットを介して特許、実用新案、意匠、商標の公報や審査情報などの特許情報を無料で検索できる公的データベースサービス。誰でも使えるよう操作は簡単で、1日30万件、年間1億件もの利用がある。INPITでは早期復旧を目指している。

 危険通報システムが異常なアクセス信号を検知したのは9日午後。データベース内は公開情報だけで、他のサイトが受けたような個人情報漏洩(ろうえい)の危険性はなかったが、緊急停止措置がとられた。知財情報部の服部和男情報統括監は「(サイバー攻撃とみられる異常アクセスは)初めての経験。データベースに改竄(かいざん)がないか、ウイルスが埋め込まれてJ-PlatPatを起点とした二次被害の可能性はないかなどを完璧に検証したため、再稼働に時間がかかっている」と説明する。

 INPITは3月27日、中小企業の営業秘密を守る情報管理支援策として、知財訴訟などで営業秘密の存在を立証できるようにするための「タイムスタンプ(トークン)保管サービス」を始める。今回の事件の影響が懸念されるが「急遽(きゅうきょ)、新サービスの安全面を再点検した。非常に高レベルなセキュリティーを施し、情報のバックアップ体制も万全を期してある。安心して利用してほしい」と服部情報統括監は胸を張った。

 一方、特許庁の安全対策はどうか。同庁のシステム全般を管理する情報技術統括室の安久司郎室長は「相当に強力な安全対策を施している。業務系システムではネット接続はなく、庁内や地方の特許室、登録調査機関との間は専用回線で閉じている。ネットで電子出願を受け付けているが、出願人から特許庁への接続は事前登録や専用ソフトが必要。職員のメールシステムは業務系システムと完全に別系統で、外部攻撃やウイルスの侵入は不可能な仕組みになっている。さらに万全を期していきたい」と話した。(知財情報&戦略システム 中岡浩)