CERNに日本の研究者300人が参加 民間技術協力も貢献

 
アトラス実験チームに所属する、東京大の若手研究者ら=3月、スイス、フランス国境(共同)

 欧州合同原子核研究所(CERN)を拠点にする研究者は世界に約1万3000人いる。カフェテリアで、さまざまな顔つきの人々が議論している光景が見られ、日本からも、研究者300人が加わっている。

 日本の研究者が最も多いのは、ヒッグス粒子発見に貢献した「アトラス」実験チーム。東京大や高エネルギー加速器研究機構など17の研究機関から150人が参加する。

 総勢3000人のチームを束ねるドイツ人のカール・ヤコブス代表は「物理学者は個人主義者なので、まとめるのは容易でない。日本は、素粒子の検出や分析でとても貢献してくれる」と話す。

 宇宙誕生時の素粒子の様子を調べる「アリス」実験チームには、広島大や筑波大が参加。通常の物質と見た目はそっくりだが、電荷などの性質が異なる「反物質」を人工的に作り出す実験でも、理化学研究所などが世界的な競争にしのぎを削る。

 民間の技術協力も見逃せない。浜松ホトニクス(浜松市)は、素粒子が飛んでいく跡を捉える検出器などを製造し、LHCの全ての実験装置に製品を供給している。古河電気工業はLHCに使われる超電導ケーブルを、東芝は陽子を正確に衝突させるための磁石を納入した。